猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

完成間近のバベル。LOONA・yyxy「love4eva」

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オーディション番組全盛のKpopアイドルシーンにあって一年以上の期間、メンバーを一人づつ、シングル曲と共に紹介して送り出すという他に例を見ない稀有なプロモーションで注目を集めてきた「今月の少女」こと「LOONA」。

先頃ついに12人目となる最後のメンバー・オリビアさんを紹介したのに続き、おそらく正式デビュー前の最後のユニット活動になるだろう「yyxy(youth youth by young)」が公開されました。

 キラキラした透明感と躍動するメロディ、加えてアーティスティックなスケール感。そしてLOONA特有の洗練された佇まいが炸裂してる「love4eva」。

なにより「heart attack」でも光っていたChuuさんのボーカルが、ここでも曲の質を一段引き上げている、と個人的には言いたい。

そして聞き終わったとき、 これこそLOONA、という感想が浮かびました。

改めて、このグループの完成度の高さはすごい。

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プロジェクトを開始して以来、幻想的かつ神秘的な「少女達」のイメージを、MVを中心に高いクオリティで発信し続け、その勢いが一年以上の間まったく落ちることがなかったという事実。

歴代MVの舞台だけを見ても、アメリカ・香港・アイスランド・東京そしてハンガリーなどに及んでいることから、単純に考えてこのグループにはかなりの資金が投じられていることは分かります。

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しかし何よりもそのパワーを十二分に活用して、ルナ・ユニバースともいうべき美しく不可思議な世界を完成させつつあることが素晴らしい。

LOONAからは非常に周到な計画だけでなく、作り手の持つ、アイドルに対する強い美学と深いこだわりを感じます。

 

にしても今回のユニット「yyxy」。

2017年11月のイヴさんから始まってChuu、ゴウォン、オリビアと続く四人の物語は連続しているわけですが、それを表す一連のMVの出来といい、曲の完成度といい、明らかにプロジェクト完成へのラストスパートと言った感じでそれまでのLOONAの作品群とはまた力の入り方が違うと感じます。

今まではほのめかされる程度だった12人の少女達の謎めいた関係性が、「yyxy」の4人のMVをきっかけに段々と明らかにされ、そして今回の「love4eva」で更に山場へ近づいたというところでしょうか。

改めてLOONAについて様々な考察をされてる方々の意見を目にすると、これまで一年以上に渡って色々な伏線が仕掛けられていたことに今更気付きます。

それこそまるで愛憎入り混じる神話の登場人物達の競演を見るようで、なんかこう、大変なストーリーだったんだなっていう、思いです。

「Chuuさんかわいい」ぐらいしか考えてなかった自分が恥ずかしい。

 

 

さて、一年八ヶ月に及ぶプロジェクトは今年の夏に完成予定とされています。

12名のメンバーが一堂に会するのが今から楽しみなんですが、実際の活動を始めるとなると気になるところも。

それは総勢12名というグループの人数。これは宇宙少女やセブチの13人とほぼ一緒です。

LOONAが完成したからといって、この人数が果たして同時に舞台へ上がり、上記のグループのように大人数パフォーマンスを、これからカムバックごとに披露するようになるのでしょうか。

個人的には、もちろんスペシャルなステージなどで全員集合したところを見てみたい。でも通常の活動としては、そうはならないのではないかと想像してます。

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これまで作り上げられてきたLOONAの世界観を考えると、それぞれのメンバーが持つ個性やメンバー同士の関係性という、いわば「設定」はLOONAのアイデンティティに深く関わってる。

例えば映画や小説の登場人物は、常に一堂に会するわけではなく、シーンごとに顔ぶれを絞って登場します。

それと似たような感じで、LOONAの基本的な活動の仕方としては、これまで通りユニットを組んでのカムバックを繰り返すという活動の方が、これまでの経緯を考えても自然な気がします。

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特に今回の、イヴさんから始まってyyxyというユニットへ繋がる一連の物語設定は、アイドルグループの個性として面白いと思いました。

アイドルが、更に別の人格をMVの中で演じて、それが一回の活動では終わらずにストーリーとして続いてゆくというのは、連作の映画を見ているようで、ファンにとっては新たな没入感に繋がり、アイドルにとっては今までにない魅力を加えることになるのではないでしょうか。

※2019年2月追記  いま現在、ごく普通に12人でデビューして大人数でのパフォーマンスを披露しています。

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LOONAは前代未聞のプロジェクトだと良く言われます。

短期間のプロモーションを経てふつうにデビューするでもなく、オーディション番組を通して葛藤を公開することで知名度を獲得しようとするわけでもない。

一年以上の長きに渡ってメンバーを明かし続けながら、それも紹介するだけではなく、自分達だけの物語・loonaverseを語り通そうとする意思と、それを可能にする戦略には現時点でも驚きですが、それでも全てはまだ始まったばかり。

キャストは全部で12名。ようやく全員の自己紹介が終わったところです。

LOONAとはどういう物語なのか、本当に明かされるのはこれから。