※2018.7.20追記 新しく公開された映像を見たら混乱してしまい、なんだか読み解けてなかったような気がしてきました。
ルナバースが逆回転を始めた?とか想像しているんですが、正直全然分かりません。
以下は以前に書いた文章ですが、今では何かの参考になるかどうか怪しいです。
ViViさんがアンドロイドになった理由がオリヴィアさんにある、という考察を目にしてから落ち着きません。良いんですかね、そんな二人を同じ舞台に上げたりして。
さて、ルナの歴代MVはその世界、つまり「ルナバース」を理解するための、ほぼ唯一の資料ですが、しかし素直にストーリーを説明してくれたりはしません。前回までのあらすじとか無いんです。登場人物の心情を代弁してくれる、朝の連ドラみたいなナレーションもない。
美麗なシーンが続くせいでかえって見過ごしてしまいがちな、様々な隠喩や仕掛けに目を凝らして読み解くほかないんです。
ただ正直、私は理解が追いついてません。
色々と仕込まれたメタファーを理解するための鍵として、「それぞれのメンバーを象徴する動物の設定がある」くらいだったらついていけてたんですが、「メンバーには固有の色がある」ということも分かり、更にイヴさん以降のMVでは「メンバーを象徴する果物もあるよ!」ということになり、頭の中でChuuさんが踊りだしたので考えるのを止めました。
しかしそんな自分にも理解できるルナバースの大まかな説明が欲しい、ということで、youtubeの諸賢の方々による考察動画をいくつか参考にして、自分の頭に都合の良い理解で結論付けようと思いました。
あくまで現時点での仮説です。ルナバース自体がまだ全然途中なので、全ては「そうかもしれない」程度ということをご理解ください。
まず前提として、この記事で取り扱うのはオリヴィアさんのソロ曲「egoist」での話が中心になります。
大きくLOONAの物語が動き始めたのがイヴさんの「new」からなのですが、そこから「love4eva」に至るyyxyの四人の物語が「egoist」で一旦収束するからです。
言い換えると、とりあえずこの辺のあらすじを抑えておけば、これからのLOONAについて行けるということでもあります。まだ物語は始まったばかりなので。
イヴ・Chuu・ゴウォン・オリヴィアそれぞれのソロMVと彼女たち四人のユニット・yyxy「love4eva」を合わせた5作からなる物語。
簡単に紹介すると「三人の少女がエデンを抜け出し、残された一人もその後を追った」というだけのあらすじです。
しかし、見る人に最も強い印象を残したテーマと言えば、それはイヴとオリヴィアの関係ではないでしょうか。
ルナ12人の中で現在のところ最高に緊張感のある二人の関係性、それは憎悪。
アイドルにあるまじき言葉です。
yyxy4人のMVでの出来事を時系列で並べると、
①イヴ「new」
②Chuu「heart attack」
③ゴウォン「one and only」
④yyxy「love4eva」
⑤オリヴィア「egoist」
になるとされています。④と⑤がMVの公開順とは逆になってます。
②ではイヴから無視され続けてたChuuさんが③④では普通に認識されてる事、③で黒髪から金髪へと象徴的な変化を遂げたゴウォンが④⑤では最初から金髪であることがこの時系列の根拠です。
二人のそうした変化はいずれも②③の中で「自分の果物」を口にしたことがきっかけになっています。どうも果物には「本当の自分と向き合う」というような象徴的な意味がこめられているようです。
そして、その結果をそれとなく導いたのが①でまっさきに「自分の果物」であるリンゴを食べまくってたイヴです。
彼女は④で他の二人を従えてエデン脱出を主導しますが、その際に置いてけぼりにされたのがオリヴィアでした。
オリヴィアはこの時点でまだ「果物」を口にしていない。残されたのはおそらくそれが理由で、この点で他の3人とは完全に区別されています。
そして④ではエデンを離れられなかったオリヴィアが⑤でエデンを離れ、ついに決別を示すシーンがあることから⑤が最も新しいエピソードだと判断しました。
「egoist」では、どこかに閉じ込められた状況から抜け出すために這い上がろうとするオリヴィアさんの姿を中心に描かれています。
「love4eva」の後でオリヴィアは三人を追ってエデンを離れた。しかしエデンを抜け出す自覚も覚悟も無い彼女は身動きが取れない状況に陥る。
その時誰かが救いの手を差し伸べます。不安げな表情を浮かべながらその手を掴もうとするオリヴィア。しかし次の瞬間、その「彼女」は手から力を抜き、オリヴィアを引き上げることを放棄した。堕ちるオリヴィア。
その誰かこそが、イヴとされています。はっきりと彼女の顔が映っている訳ではありませんが、「new」で示唆されたシーンと合わせて見る事でそのように推理されています。「love4eva」でオリヴィアを残してエデンを去ることを主導したイヴの行動と合わせて見ても、自然な解釈です。
当然、オリヴィアさんは怒りました。
そして怒りと絶望の末に、彼女は遂に「自分の果物」を齧ります。その果物はプラム(すもも)。血の滴りのような果汁がオリヴィアの唇に浮かび上がる。
彼女は他の3人と同じように、このとき初めて自分の中の自分と向き合い、エデンと決別する覚悟を決める。しかし、彼女がその後に取った行動は他のメンバーとは大きく違いました。
ライターを手に、水鳥の雛のぬいぐるみ(イヴの象徴動物)、カセットテープ(ヴィヴィもしくはジンソルの持ち物?)、エデンで着ていた制服そしてオリヴィア自身が目を覚ますまで身を横たえていた寝床にまで火を放ったのです。
怒りと憎悪に身を任せていることは明らかな描写です。
そしてさらに決定的なシーンが、フラッシュのように差し込まれます。それが冒頭で述べたことにつながります。
滴る血と、倒れた獣の弱々しく瞬く瞳。その獣の固そうな毛深さと黒々とした瞳から見て、鳥でも猫でもウサギでもなく、おそらくは鹿。そして鹿はヴィヴィの象徴動物でもある。
一方オリヴィアの象徴動物はオオカミ。「egoist」のMVの最中、何度かオオカミの姿と血を思わせる場面が挿入されています。
さらに付け加えると、ヴィヴィは人間だった頃にイヴと仲良くしていた様子が「new」の中で描写されています。
この一連の断片的な映像が示唆するイメージはとても不穏なもの。しかし、まだはっきりした結論は出せません。
ただならぬ気配を漂わせながら、やがてオリヴィアはようやく自分を閉じ込めていた場所から抜け出すことに成功する。
月の輝く夜空の下、風が吹き付ける高層ビルの屋上で、たった独りたたずむオリヴィアの姿は強い孤独を感じさせます。
その時、彼女へ静かに歩み寄る人影。
その人物こそ他でもない、loonaverseの幕を上げた第一の少女、ヒジン。
LOONAにおける最初と最後のメンバーが初めて向き合う。にもかかわらずこの二人、初めて顔を合わせたようには見えない。その意味するところは?
「egoist」はこのシーンで幕を下ろします。
謎が謎を呼ぶ展開で、正直理解できてるのか自分でもわかりません。些細な手がかりを手繰り寄せて何とか予想できるぐらいの感じ。作ってる人はきっと意地が悪いと思う。あとフラッシュシーン多すぎ。
さらに「egoist」の中にはジンソルさんも出てくるし、「heart attack」にはヘスルさん、そして「one and only」ではチェリーさんが出てきたりしてもう大変。
ただ、やはり象徴的なのは先程のヒジンさんの登場でしょう。
ルナ最初の四人である今月の少女1/3の頃は、ほとんど伏線らしいものは無かったと考えられています。重要な仕掛けが見つかり始めたのはようやくオッドアイサークルからなので、初期のメンバーはまだ明確にはloonavearseに関わっていなかった。
そうした中で、とうとう重要な役どころとしてヒジンさんが登場したわけです。ここに来てついにLOONAの最初と最後が繋がった。
この最初と最後の連結、これこそloonavearse全体を貫く隠されたテーマ「メビウス」を表しているのでは、と囁かれています。
メビウスとは、あの有名なメビウスの輪のこと。表と裏は区別できず、そして互いに反対の存在ではなく連続して繋がっている関係。始まりと終わりが定かではない無限の象徴でもある。
この重要なテーマが見つかったのがオッドアイサークルの時でした。 あの三人が見につけていたブレスレットがまさにメビウスの輪。そして「ガールフロント」の冒頭で回り始めたカセットテープが、ラストで逆回転を始める演出も、きっと関係がある。
このメビウスという考え方も今後頭に入れておくべき伏線なのでしょう。また増えた。
ちなみに「egoist」の中でオリヴィアが自分自身を抱きしめる象徴的なシーンが出てきます。この場面、メイキングを見ることで、そのもう一人を演じているのがヒジンさん(!)であることが初めて分かります。これは撮影の都合なのかそれとも……。
以上が私の大まかな理解です。
一見して不可思議なLOONAの世界。結局のところ「他者、そしてなにより自分自身とどう向き合うか」 という、人間が生涯通して向き合わなくちゃいけない難題がテーマなのかなと思いました。少なくとも、別にフルーツ食べた食べないで揉めてる女の子の話じゃないということは分かる。
さて、気になるこれからの展開ですが、どういう形でloonaveraseを解き明かしていくのかも注目されます。別の新しいユニットなのか、それとも全員なのか。そういう点も含めて、LOONAからは、いよいよ目が離せません。