なんかAPRILのナウンさんが出てる、ということでとりあえず見始めた謎のウェブドラマ「A-TEEN」。
期待せずに見始めたら意外にも丁寧に作られた青春ドラマだったので、けっきょく最終回である24話まで全部見ることになりました。
一話10~15分程度で韓国語字幕が標準で出ている上に、きちんとした日本語訳も用意されているので、韓国語の勉強にもなるかもしれません。VLIVEやYOUTUBEで見る事が出来ます。
ドラマは好評のようで全編通して1000万ビューを突破、シーズン2の製作が早速決定。
オリジナルの主題歌をセブチの5人(ウジ・ジョシュア・ホシ・ディーノ・バーノン)が歌っているそうです。
高校生が卒業後の進路を考える時期、些細なことから静かに波打ち始める日常の変化を、自然な語り口で描いた本作。その中心となるのは以下の仲良し6人組です。カッコ内は本名です。
イェ・ボラム(キム・スヒョン)
プロゲーマー志望という、いかにも韓国らしい女子高生。明るく天真爛漫、裏表のない性格で場を和やかにする。勉強は苦手。チャ・ギヒョンとよくじゃれ合っている。
・自然な演技の様子からてっきり若手女優の人かと思っていたら、プデュのシーズン1やMIXNINEにも出ている、れっきとしたアイドル畑の人でした。
有名歌手・プロデューサーであるユン・ジョンシン率いるミスティックエンタテイメント所属。キム・スヒョンさんの活発な活動から、事務所初のガールズグループ誕生が近いのではと噂されています。
ハミン(キム・ドンヒ)
頭が良くハンサムで優しく爽やかでおまけに人当たりも良い、そのうえ女子を誤解させるような仕草も自然にこなしてしまう、見る人によって評価が大きく変わりそうな男。
個人的にはタンスの近くを通るたびに足の小指をぶつけて欲しいタイプ、と思っていましたが、そんな彼も自分の人生を生きようと懸命な事がやがて明らかになるのでした……。
・インスタの写真から、JYP所属の新人俳優さんであるといわれています。
※正確には練習生だったそうで、このたびJYP専属になったそうです。
キム・ハナ(イ・ナウン)
才色兼備の優等生で、自然と周りに人が集まるタイプ。名前が同じというきっかけでド・ハナと親友になる。「勉強が出来るほうのハナ」。しかし彼女には周囲に明かしていない秘密があり……。
・いわずとしれたAPRILのナウンさん。アイドルが演技に挑戦という事で当初は不安の声があったそうですが、自然な演技でそうした声を黙らせることに成功。多くのアイドルが足元をすくわれて来た「泣き」の演技も見事にこなしてみせました。
ド・ハナ(シン・イェウン)
とてもさっぱりしていて、思ったことは臆せず口に出すタイプ。クールに見えるが本当は優しい性格の持ち主。本作品の主人公。
名前が同じということで周囲からキム・ハナと比べられるのを疎ましく思っているが、二人の仲は良い。絵を描くのが好き。勉強の成績はイェ・ボラムと似たり寄ったりだ。
・JYP所属の将来有望な若手女優。97年生まれの現役大学生だそうです。JYPなのにレッベルのイェリさんに似た外見。ひょっとしてアイドルになる可能性も?とか思っていましたが、劇中で普通にキスシーン(接触あり)をこなしているのを見て、あぁこの人は女優さんなんだな、とはっきり理解しました。
ナム・シウ(シン・スンホ)
「自分、不器用ですから」系の長身バスケ高校生。愛想もないし、口数も少ないがやることはやるタイプ。ドラマが進むと、背中ではなくちゃんと言葉で語る男だということが明らかに。性格が全く正反対の兄がいる。
・俳優専門の事務所「キングコングbyスターシップ」所属の若手俳優。
チャ・ギヒョン(リュ・ウィヒョン)
多少がさつなところはあるけど、明るく元気なゲーム好きの高校生。イェ・ボラムとは性別を変えただけのようによく似てる。ムードメイカー的な役割で、特に深刻なドラマを背負っているというようなことはないキャラクター。
・子役時代から多数のドラマ・映画に出演していて、メインキャスト6人の中で最も演技のキャリアがある。
自然だけど飽きさせない青春ストーリーが「A-TEEN」最大の魅力だと思いますが、個人的に面白かったのがドラマから垣間見える何気ない韓国の生活風景。
一見すると日本の日常と変わらないんですが、よく見るとだいぶ違う所が色々あって面白かったです。以下でそのいくつかを振り返ってみます。
いきなり細かい話であれなんですが、この場面の直後、ドハ(写真の人)が「私も図書館行けば良かった」とハミンにメッセージを送ります。では、この図書館ぽいお洒落スペースはどこなんでしょうか。直前の会話でボラムとギヒョンが上のPC房に行く、と言ってたので商業テナントの一部だとは思いますが、本屋の読書スペースにしては充実しすぎてるし……。
とか思ってたら、後のシーンで「スタディー・カフェ」という台詞が。韓国にはそういうのもあるのか。
韓国慣れしてる人には当たり前の光景かもしれない、謎のプラス1システム。おそらく対象商品を買ったらもうひとつおまけ的なことだと思うんですが 。
2+1の表記も見えるし、それだと1+1を2つ買えば2+2でそっちがお得なのでは?とか考え始めた時点で資本主義という名の蜘蛛の巣に絡め取られた憐れな獲物なんだと思います。
突然訪ねて行った友達の家で、わりとガチめの料理を振舞われる。
告白デー!(クリスマスまでちょうど100日にあたる日)。そんなのもあるのか。韓国に生まれなくて良かった。
服が変。
「待ってました!」とばかりに用意されたのは、具のない普通のインスタント麺。
そのラーメンを食べながら話す、軍入隊を巡る韓国男子のリアル。
春・夏・秋と細かく用意された制服も綺麗で可愛かったです。ロッカーもカラフル。
だんだんと単純ではなくなっていく世界の中で若者たちが感じる戸惑いや喜びが、丁寧な語りで描かれた「A-TEEN」は良いドラマでした。
ただ、こういう優れた青春ものというのは見終わった後に物凄い反動が来るのが常なので、心当たりがある人はお気をつけ下さい。あくまで美しいフィクションだということをお忘れなく。私は学生時代の親友とバカみたいな理由で喧嘩別れしたまま卒業してしまい今に至るまで音信不通です。現実はこっちです。