猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

ある噂と、消えたひとつの可能性

アイズワンのデビューに小さな影を落とし、CLCからは飛躍の機会が奪われたかもしれないという二つの意味において、今回の騒動は本当につらい。

IZ*ONEのラヴィアンローズ、前の記事に書いたとおり私は大好きです。

でも今回の降って湧いたような「ラヴィアンローズは、元々はCLCのために用意されていた曲だった」という噂はちょっと聞き流せなかった。

その噂の根拠として、

①CLCメンバーが歌っていると思われる録音が流出。

②バラを手にしたCLCメンバーの個別の写真が以前公開されていた。このことからカムバが近いと見られていた。

③CLCの前作「Black Dress」と今回の「ラヴィアンローズ」の近似性。というか作曲した人が同じ。

というものが挙げられています。

以上の情報を考えると、噂を具体的に否定する説明が当事者の口から必要だと思われる程度には信憑性を感じます。

 

ただ私がこの件で一番気になったのは、あるアイドルのために用意されて録音まで済ませていた曲が、土壇場で別のアイドルに渡ってしまったらしいというその一点だけではありません。

今回の噂に登場する2つのアイドルグループがそれぞれ(実質的に)所属するふたつの会社の名前のせいです。

その名前とはCJ(アイズワン)とキューブ・エンタテイメント(CLC)。

前者は近年KPopアイドル界で急速に存在感を増す巨大企業、後者は有名ではあるけれど中規模の芸能企画社です。

私がここで考えているのは上記の噂に基づく、更なる憶測に過ぎません。

ただ、この圧倒的な会社間の力の差を背景に「ラヴィアンローズ」という鮮やかな一曲が両者の間を不自然に「移動」した、という話を聞くとどうしても色々と想像してしまう。

宇宙少女・Monsta Xのスターシップやセブチのプレディス、そしてBTSのビッグヒットなどと次々に関係を結んで影響力を増してゆくCJグループが、独立した中小芸能事務所の居場所を削り、KPopアイドル界から多様性を奪ってしまうのではないかという危惧を、ここ最近の韓国芸能メディアで目にする機会が何度かありました。

こうした大きな流れから今回の騒動を見ると囁かれていた懸念が現実のものになってしまったのではないかと思えてしまう。

そう考えると今回の一件、業界における競争の健全性に関わる大きな問題を提起しているようにも見えます。

私は前回の記事でCJには優れた楽曲を用意できる力があると書きましたが、もちろんこんな意味で言ったのではありません。

それにもし私の妄想めいた考えが本当だったとしたら、これからは第二のBTSやGFRIENDは生まれなくなってしまうのではないかという不安を感じます。

私は公平で活発な競争こそが今のKPopの勢いを支えていると考えているので、もしもこうした危惧が現実のものであれば、KPopの未来に影が差してしまうのではと心配です。

 

というか、そんな話を抜きにしても今回の話はしんどい。

もちろんIZ*ONEが歌った瞬間、この曲は彼女達のものになったと思います。アイドルの音楽は曲自体の出来と同じくらい「誰が」歌っているかが決定的に大事だと思っているので、そういう意味では現実に発表されたIZ*ONEのラヴィアンローズには何の不満もありませんし、素晴らしい出来だったと思います。

しかしそれでも、ラヴィアンローズをもしCLCが歌っていたら、これまでの少し地味だった彼女達のキャリアが大きな転機を迎えていたかもしれない、と思わないわけにはいかない。

私は前作Black Dressで確かにCLCはあるべき方向性を見つけたと思いました。そして最近批判の多いキューブ・エンタテイメントが、同じようにBlack Dressのコンセプトから手応えを感じとって、途中までではあったけれどCLCと最高の仕事をしようとしていた事が分かって尚更悲しい。

2つの未来あるガールグループの運命を、互いに傷を残す形で交差させてしまった関係者の軽率な判断が本当に残念でなりません。