猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

7SENSES(from SNH48)が気になる

どうして中国のビジネス分野においてはパクりと呼ばれる現象が頻発するのか、日本人の多くが抱いているかもしれないそんな疑問に対するひとつの答えが、去年の秋頃にネットで解説されて話題になってました。

上の記事で紹介されている、中国における模倣についての考え方をおおまかにまとめてみると、

①習字に象徴されるように、優れた手本を模倣するのは中国では当然のこと

②そして天才の真似をすることは尊敬の表現の一種

③市場における最終的な勝者>アイデアの発案者、という意識

というようなことだと思います。

結果として似たような傾向は世界中のビジネス分野で密かに共有されている気はしますが、中国には中国なりの筋の通った理屈があって面白いなと思いました。

で、どうして私が上の記事について思い出したかと言えば、それはSNH48からの派生ユニットである7SENSESのことが最近気になり始めたからでした。

 

SNH48(シャンハイ・フォーティエイト)。

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元々は日本のAKBグループの海外展開のひとつとして2012年に上海で誕生した姉妹グループでありながら、やがて現地運営が独自路線を進み始めたことで日本側との関係が悪化し、結局2016年に袂を分かって独立したアイドルグループです。

この両者の決裂の要因になったであろう独自路線というのが、中国側が勝手に北京と広州に48グループを作ってしまった事だというのが凄いところ。おまけに独立後は瀋陽と重慶にも姉妹グループを設立。※後者の2組は最近解体が発表。

独立後もAKB系と同一のグループロゴを使用し、総選挙やリクアワといった代表的な活動形態を踏襲しつつ活動を継続し、その結果、女子グループとしては中国でトップクラスの人気を誇るまでになっているようです。

徹底して先駆者を模倣することで、元々は日本のAKBグループが中国でやりたかったであろう事を先に自分達だけでやってしまうというこの超積極姿勢を見て、私は冒頭に挙げた記事を思い浮かべたのでした。

ちなみに日本のAKSも一方的にやられているわけではなく、2018年にAKB Taem SHを設立。上海を舞台に正面から殴り合いの構えを見せています。

 

ただ、正直これだけの話なら「中国はやっぱり大変な所だなぁ」で終わってしまうところでしたが、2017年にSNH48からの派生ユニット「7SENSES」が誕生することで新たな展開が始まります。

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この7SENSESは、EXIDやApinkで有名な作曲家シンサドンホレンイが代表曲を手がけ、振り付けもトレーニングも韓国人の手によるという明らかにKPopを意識した7人組グループ。

そのような特徴から2017、2018と続けて韓国内の音楽授賞式に登場して賞をもらうなどKPopの本場においてもそれなりに注目を集めているようです。

しかしKpopを標榜した中国のアイドルだからと言って、最初のうちはそこまでの興味はありませんでした。

デビュー曲「7Senses」は分かりやすいガールクラッシュコンセプトで、曲もダンスもそれらしい仕上がりでしたが、率直に言って単なるKPopの真似だったと思います。

ところがこの7SENSES、2作目・3作目で様子が変わってきます。

例によってシンサドンホレンイが曲を担当していながら、既にKPopの模倣ではない何かを感じたのが、最新作である3枚目のミニアルバムのタイトル曲である「天鵝(SWAN)」。

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たとえば、落ち着きと大人な雰囲気を持つKPopアイドルと言えば、最近ではApinkやLABOUMあるいはMAMAMOOなどが思い浮かびますが、7SENSESのステージはそうしたグループとは明らかに違います。もちろん単純なセクシー系からは程遠い。

端正とか、メランコリックだとか幻想的だとか、そんな言葉が浮かんでくる彼女達のパフォーマンスは独特の美しさを帯びています。

あえて流行のKPopからは距離を取ったように見える落ち着いた振り付けは、むしろ舞踏と呼びたくなるようなもので、個人にフォーカスして優美な動きを強調するシーンなどはおそらく7Sensesならではの魅力。

KPopアイドルだったら複雑なフォーメーションや激しいダンスで鮮やかに塗り上げるに違いない隙間をそのままステージに残し、意図的に余白として表現してみせるかのような傾向は「天鵝(SWAN)」だけでなく、既に2作目のタイトル曲「Like A Diamond」の時点で見られ、このような特徴からは現代風な曲調の中に中華世界における美意識が表れている気がして、とても面白いと思いました。

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そんな7SENSES、7の数字が意味する通りメンバーは全部で7名。

まだ私にはほとんど見分けがついていないんですが、ひとりだけ髪が短いと言うことで覚える事が出来たのがKiKi(本名、シュー・ジャーチィ)さん(23)。

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ショートヘアが良く似合う美貌と170cmというスタイルの持ち主で、おそらくチームのビジュアルの中心。韓国で披露されたステージでも特に黄色い歓声が飛んでいたことから、女性からの人気も高そう。

専門的にバレエを習っていたということで、「SWAN」の舞台でも美しいソロダンスパートを披露しています。過去にはSMでの練習生経験があるそうです。

 

冒頭の記事で見るような、模倣を通した中国的な野心の結果として大陸のアイドル界に生まれたように見える7SENSES。

しかしビジュアルを含めてKPop的な洗練さを誇りながら、その表現されている姿からは既に独特の魅力が備わっているように感じられ、もう単なるKPopの真似で片付けるようなグループではないと思われます。

その来歴を考えると日本との関係は複雑なものになってしまうかもしれませんが、単純にひとりのKPopファンとして7SENSESがこれからどういう活動を見せていくのか楽しみです。