猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

fromis_9の安心、宇宙少女の変身、あとCLCにHighlight

もう夏だからなのか分かりませんが、ちょっと最近ガールグループのカムバラッシュがすごい。

しかもスルーするわけにはいかないグループが多くてブログ的には焦りを感じる中、この記事ではとりあえず気になった曲について触れたりしています。

fromis_9「FUN」

われらがプロミスナインが6月4日に「FUN」でやっとカムバしました。前作「LOVE BOMB」からいつの間にか8ヵ月。長かった。

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弾けるような喜びの戸惑いを夏の爽やかさと混ぜるようにして、プロミスナインの魅力を正面から捉えたとても楽しい曲になっています。

分かりやすく耳に残るけれど単調ではない構成や、生き生きとしたソヨンさんのラップ、更には全員でのダンスブレイクパートなど、前作までとの違いを見せつつ完成度高く仕上げてきた印象です。

そして、やはり溌剌とした楽曲を最大限生かす9人のダンスとフォーメーションはプロミスナインのオリジナリティだと感じます。

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アイドルらしく明るく楽しい雰囲気でありつつ、振り付けにも工夫があって手抜きはないというKPopの真価を見せてくれるfromis_9は、やはり信頼できると思いました。

でも欲を言えば、もっともっと特別な事ができるグループだと思っているので、気が早いですが次はあまり間を空けずに戻ってきて欲しいです。

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MVも楽しい出来でした。

 

宇宙少女「Boogie Up」

そのfromis_9とカムバのタイミングがぴったり合ってしまい、思わぬ対決構図が出来上がってしまったのが宇宙少女。

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結果は、音楽番組4冠&音盤売り上げ4万枚以上とグループ最高の成績を記録して先輩の貫禄を見せた宇宙少女の完勝でした。

これは言ってみればキャリア3年目の彼女達に代表作が生まれたということかもしれないんですが、その「Boogie Up」が意表を突くゴリゴリのサマーソングだったというのが以外な展開。

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KPopアイドル界にとって夏は決戦の時。

これまで数々のアイドルがサマーソングで競争を繰り広げてきた中で、「夏の女王」と言われるまでにヒットを飛ばして成功したのが、宇宙少女の事務所の先輩にあたるSISTERでした。

なので結果的にそうした伝統を受け継いだみたいなことにはなってるんですが、そもそも宇宙少女は幻想的なコズミックコンセプトとか、神秘的な魔法学校コンセプトみたいな、言わば夜型・インドア型のアイドルとして歩んでいたはず。

それなのに夏になった途端いきなり薄着になって太陽の下に飛び出し、その結果大成功してしまった。

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チームのクオリティは常に高かったけれど、ファンダムの外へ広く訴える結果には欠けていた宇宙少女が、夏をきっかけに手に入れた今回の成功。

しかしその姿はこれまでのコンセプトとは大きく異なるもの。

果たしてこれは夏限定の振る舞いなのか、それともこれから先のカムバにまでなんらかの影響を及ぼすことになるのか。

ブギーアップでの活動がまだ終わってないにも関わらず、すでに次が楽しみです。

 

CLC「ME(美)」

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夏の陽気を感じさせる上の二組とは違い「夏? それがどうした!」という気迫を感じさせるのが「ME(美)」でカムバしたCLC。曲の発表は5月だったので、夏関係ないのは当たり前かもしれない。 

前々作「BLACK DRESS」でシック&ストロングな路線へコンセプトを大きく変更してから、なんかずっと怒り続けてる印象のあるCLCですが、その姿勢にはぶれる事がなく、いよいよ前だけ向いて走り出したという印象です。

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「私は特別」「私は美しい」と歌う本作は確かに個性的な美しさがあり、攻撃的なサビなどはドロップと呼んだほうがいいのかもしれない独特の迫力があります。

そしてなにより7人の渾身のダンスパフォーマンスが曲のインパクトを視覚的に表現していて全体的な完成度を底上げしてる。

歌や楽曲だけではKPopの魅力は完成しないと考えている私にとって、今作の振り付けを含めた完成度はKPopアイドルとしての良心に触れるものだと感じました。

MVも落ち着いた作りながら印象的な場面が散りばめられていて、とても綺麗。

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CLCはアイドルグループとして可愛いさも実力もあるし、前作「NO」で音楽番組一位を取ったように新しいコンセプトで結果も出していて、そろそろかつての地味なイメージを払拭できても良いのではと思います。

しかしこの記事を書きながら知ったんですが、ちょうど先月の五月末に日本公式ファンクラブが閉鎖されていたという。

閉鎖の予告自体は2018年2月なので「BLACK DRESS」で路線変更する直前、ざっくり言って低迷してた時期にこの決定がなされていたことになります。

せっかくキャリアを盛り返しつつあるこのタイミングでの日本FC閉鎖というのは、なんとも間が悪い。しかも対照的に後輩である(G)I-DLEは先頃日本デビューを発表したばかり。

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こうなったらCLCもその一新したイメージでもって日本活動を再始動するくらいの動きがあってもいいのでは、などと想像してます。

あとひとつ、今作について見過ごせない情報としては、「ME」の作曲・編曲が、あのIZ*ONEの「ラヴィアンローズ」を手がけたMosPickだということが挙げられます。

なにを言うべきかよく分からないんですが、結果的にヨシ!ということなんだと思います。

 

振り付けって大事

余談ですが、そのIZ*ONE「ラヴィアンローズ」や「ヴィオレッタ」、それに上で紹介したfromis_9「FUN」に宇宙少女の前作「LA LA LOVE」などの振り付けを手がけたのは全部同じ人、ダンスチーム「フリーマインド」所属のチェ・ダソムさんという女性です。

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とても愉快なお姉さんです。

他にも公園少女の「Pinky Star」「Tok Tok」「Melting Point」など、自分の好きなグループの曲を軒並み担当してきたことを知ると、もう他人とは思えない。

そしてプデュ48の「Rumor」やTWICE「TT」の振り付けで有名なチェ・ヨンジュン先生もこのフリーマインド所属だそうです。いつも帽子を被ってた男性の方です。

ちなみに、こわもての女性トレーナーの方はペ・ユンジョン先生。間違えやすい。

KPopを特別なものにしている要素のひとつとしてのダンスパフォーマンス。そのデザインを描く芸術家である振付師の重要性については言うまでもないはず。

それと同時に、彼らは作詞家・作曲家などとは別の位置から客観的にアイドルの楽曲を解釈して表現する特別な、第三者的な性格も持っているように思います。

そんなことを思ったのは、このあいだのIZ*ONEソウルコンサートで初めて振り付けの付けられたIZ*ONE「Highlight」を見た時。

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ペ・ユンジョン先生(怖いほう)が考案した振り付けのついた「Highlight」は、ありきたりな言い方だけども曲に新しい命が吹き込まれたって感じでした。この曲はこういう姿をしていたんだなという、新しい光景を見せてもらったような。

この舞台、全部の瞬間が好きな動きばかりだけど一つだけ印象的な部分を挙げるとしたら、サビの部分で何かを覗くように目元で指を畳むところ。ささやかな仕草ですが、とても不思議な魅力が込められて見えて、振り付けの妙を感じました。

音楽のビートに縛られるという絶対的な条件の下、ただ激しいばかりでもなく、いたずらに難しいだけでもなく、人に伝えられる何かを確かに表現していなくてはならない。そして一人の動きだけではなく、全体としてのフォーメーションを考えながら振り付けを考えなくてはならない。

そんな難しいバランスを成立させる振り付けの仕事に注意して見るとKPopの魅力が更に深まっていく気がして、更にこの世界への興味が増していくのを感じます。 

ヨンジュン&ユンジョンのプデュ48での共演シーン↓

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そういえばそんなペ・ユンジョン先生。

アイズワンのソウルコンサートに招かれた感謝の言葉をインスタに上げた際、「ちょっとダンスが合っていない部分があったけど……」と、しっかりひと言加えるところに、ささいな挨拶でもありきたりな社交辞令で終わらせないプロとしての誠意を感じ、この人はさすがだと思いました。