猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

サバイバルに至る理由

「Girls Planet 999」に参加した99名の多くは、すでに芸能活動経験があるという共通した特徴がある。その中でも特に現在アイドルグループに籍を置いたままの人達からは、このタイミングで参加せざるを得なかった葛藤のようなものが垣間見える。

そうした背景を持つ参加者で個人的に気になったのが、韓国から参加しているCherry Bulletのホ・ジウォンさんと元Bustersのカン・イェソさん、あとBVNDITのスンウンさんの3名。

 

2019年の初頭にCherry BulletがFNCからデビューした時はとても期待した。あのAOAの妹グループだし、見た感じ魅力的なメンバーが揃っていてデビュー曲も悪くなかった。ところが、二作目はちょっと物足りないかな、などと思っていたらその年末にいきなり3名もメンバーが脱退してしまった。その後もそれなりに活動を続けているものの事務所の実績を考えれば期待には遠く及ばず、現状では第4世代グループの中でほとんど埋没してしまっている。

そんなCherry Bulletにはグループの看板とも言うべきメンバーが二人いて、一人がこのジウォンさんで、もう一人がユジュさん。二人とも女優のような佇まいでグループイメージの中心になっていたと思う。

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でも自分は彼女達を見るたびに、もしモデルや女優のように綺麗な人が舞台で振り付けだけを完璧にこなして見せれば、その人は自動的にアイドルということになるんだろうか、みたいなことを考えていた。アイドルの舞台にあるべき何かが足りてない気がしていた。

そんなことを考えてしまうのはおそらく、低調なグループの成績が証明するように事務所のプロデュースの仕方に原因があるのではと思ってる。だから今回のガルプラを通じて、賛否はあっても仕事は出来るエムネットによるプロデュースを受けた時に、ジウォンさんが何かを証明してアイドルとして再生する瞬間を目にすることが出来れば、それはひとつのドラマになる気がする。

 

Bustersと言って分かる人はあまり多くないかもしれない。デビュー曲のMVをSJのシンドンが演出したことで少し話題になったけれど、結局はB級KPopグループを好む人に追いかけられるようなキャリアだった。

でも初期曲がわりと良かったのと、知名度の無さとは似つかわしくないメンバーの華やかさという理由で個人的には気になるグループだった。全員未成年ながら、子役などの芸能活動経験者を集めた顔ぶれは侮りがたく、何かのきっかけさえあれば一気に階段を駆け上がるのでは、という期待があった。

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2019年、そんなグループに途中加入したカン・イェソさんを初めて見た時から、この子は間違いなく人気が出る思っていた。でもその予想は今のところ外れている。未成年メンバーしかいないのに事務所が薄手の衣装を着せてカムバさせたりして、様子がおかしいなと思っていたらリーダー含むメンバーが続々脱退し始めて、やがてイェソさんも離れていった。グループは今も活動しているらしいけど、自分の知ってるメンバーは残ってない。

だから彼女がこうして表舞台に戻ってきて、ツイッターとかでこのかわいい子は誰?みたいな感じで騒がれ始めているのを見て、来るべき時が来たという気持ちになっている。更に欲を言えば、彼女の活躍に触発されてかつてのメンバー仲間もそれぞれ舞台に戻ってきてくれればと思ってる。

 

BVNDIT(バンディット)は知名度はないけど玄人受けのする音楽活動をしているという印象のある6人組で、あのチョンハの同僚でもある。そこからスンウンさんという、末っ子で童顔だから学生に間違えられるけど成人しているメインダンサーが参加。スタイルも綺麗だし独特の雰囲気と魅力があって、もっと大勢の人に知られれば良いのにと思っていた。

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ガルプラは本当に、この辺の「惜しい状態に置かれていた注目すべきアイドル」に対する目利きが自分の感覚とぴったり合っていて、ここまで挙げてきた3人の名前を見た時ひとりで勝手に盛り上がってた。

上のCherry Bulletとは違い、BVNDITに対するプロデュースは一貫して充実してたと思う。ただ自分には、事務所の先輩でソロとして既に大成功しているチョンハと音楽的傾向が似通っていて、同じコンセプトを分け合ってるようにも見えた。しかも両者ともにデビュー時期や年齢が近いことでイメージの重複も感じる。そうなると後発で知名度に劣るBVNDITに不利な影響が及ぶのも仕方ないように思える。

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キャリアの途中でサバイバルオーディションに参加するということはつまり、グループの現状が順調ではないことを事務所が公式に認めたも同然。そこから彼らが考える理想の展開は、きっとあのNU'ESTのようにオーディション後に個別メンバー&グループの双方の人気につながる形のはずで、自分もそれを期待している。

更にこうした現役アイドルの参加が元グループの再活性化に結びつくのであれば、こうした大々的なサバイバルオ-ディションが一定の間隔で放送されることにはシーン全体にとっても意味のあることに思える。

プデュ48の時はまだ見ぬスターアイドル誕生への期待が大きかったけれど、私は今回のガルプラを再生とか再発見といったテーマも意識しながら眺めている。