猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

2021→2022年、世代の変り目に思う

KPopを追いかけていて感じる面白さのひとつに、アイドルを世代でひとまとめに出来るということがある。韓国のアイドルは契約の関係で長くても7年程度の活動期間に留まることが多く、様々な会社から次々と生まれるグループのデビューと解散のタイミングがなんとなく重なることで、そこに自然と世代という関係性が生まれる。

時々の流行から等しく影響を受けながらもそれぞれ異なる表現を試みることで、やがて時間の偶然だけではない世代として一つの大きな光景を作り、そこで語られる物語こそがKPop特有の魅力だと感じて来た。

そして今、90年代後半に本格的に始まったKPopガールグループの歴史はTWICEやBLACKPINKが代表していた世代の次、つまり第4世代と呼ばれる時期に入りつつあって、その動きがいよいよ本格化するのがHYBEやJYPにYGなどの大型事務所がガールグループをデビューさせるとみられる今年2022年だと予想されている。

ここへITZYやaespa、STAYCにIVEなど2019~2021年デビューの新人を加えれば、2000年代後半に少女時代やWonder Girls、2NE1やKARAといった錚々たるアイドルが次々と誕生した第2世代と呼ばれた時期の再来さえ予感させるのが第4世代であると思う。

以下の記事はそんな登場間近とされる大型グループについて、公式の発表をただ待つだけでは面白くないので自分の思う現時点での印象を書いた想像混じりの文章です。

 

YG

非公式ながら既に「ベイビーモンスター」という通称で知られているBLACKPINKの妹グループは、正確に言えば今年のデビューもあり得るのではないかという憶測の段階にある。それでもあのYGの新人ということで今から気になるのがその方向性。BLACKPINKが事実上の2代目2NE1だったとすれば、次のガールグループでも同じことを繰り返すことは考えにくい。となれば必然的に大きく異なるコンセプトでデビューするのではと予想される。

例えば同じ会社のボーイグループであるTREASUREがデビューした時には、あのYG特有の癖の強さから離れた印象があったので、女子にも同じような変化が現れる可能性はあると思う。あとYGのガールグループにもいよいよ日本人メンバーが誕生してくれたら、という期待も。

 

JYP

www.youtube.com

不確かな情報に留まっているYGとは異なり、もうすでに7人のメンバーが明かされていて、後はグループ名や2月とされているデビュー日程の正式な発表を待つだけなのがここ。昨年秋頃にはまだ全貌が不明な段階だったにもかかわらず、期間限定でデビューCDの予約を受け付けて6万枚も売ったことがニュースになった。同じ会社にTWICEとITZYという先輩が存在する状況でどのように新人を差別化して併走させていくのか、ガールグループの名家と呼ばれるJYPの手腕が注目される。

あと気になる点として、この7人組はJYPで初めてイ・ジヨンという女性プロデューサーの手によるアイドルとなるそうで、Wonder Gilrs以来ITZYに至るまで良くも悪くもパクジニョンという人物の趣向が分かりやすく現れていたJYPの女子アイドルにおいて、この変化がどのようにガールグループを通して具体化するのか、とても興味深い。

 

HYBE

今はaespaが主導権を握っているように見えても、ガールグループ第4世代が描く景色の印象を大きく左右することになるのは、あのBTS擁するHYBEになるかもしれない。現時点で明らかにされているだけで傘下のレーベルから二つ、CJENMとの合同で一つの、合計3組のガールグループのデビューが予定されていて、そのどれもが並みのグループになるはずはないのだから、それも不自然な予想ではないと思う。

まずHYBEの新レーベル「ADOR」から、かつてSMに在籍してf(X)やRed Velvet、SHINEEで手腕を発揮したミン・ヒジンの手によるグループが年内のデビューを目指して準備中とされている。HYBEが2019年に行ったグローバルオーディションに応じた参加者から選抜されたメンバーが中心になると見られているけど、現時点ではミンヒジンという製作者の個性に大きな注目が集まっている。絵で例えるなら極彩色を好んで用いる印象のある彼女が新しい環境でどのような手腕を見せるのかが楽しみ。

 

さらに2019年にHYBE傘下のレーベルとなったソスミュージックからもガールグループが誕生予定。GFRIENDが6年のキャリアを終えた今、ソスから後継グループの話が出るのは自然な話だけど、あのIZONE出身の宮脇咲良&キムチェウォンが事務所を移籍してまでメンバーに加わると見られていたり、だけど同じくIZONE出身のミンジュさんのスカウトには失敗したらしいとか、プデュ48出身のホユンジンさんも合流するらしいとか色々と落ち着かない噂が飛び交っている。

個人的には宮脇&キムチェという二人は共に和製アイドル特有の端正さを強く感じさせるので、あのGFRIENDの活躍した事務所から彼女達が再デビュー出来たとしたら、そこには何かしらの縁がある気がする。

 

そして最後に、HYBEとCJENMが共同してENHYPENを誕生させた2020年のサバイバルオーディション番組「I-LAND」の女性版の製作が決定したことで、もう一組HYBE関連のガールグループがデビューすることになった。さすがに放送前の時点では具体的なことは分からないけど、ENHYPENが「I-LAND」が番組として持っていた張り詰めた雰囲気を保ったまま「Given-Taken」という曲でデビューしたことを思えば、番組のコンセプトが大きく変わらない限りここから生まれる女子グループもいわゆる明るく楽しいアイドルにはなりにくいのではと想像する。

www.youtube.com

 

昨年2021年はLOVELYZやCLC、GFRIENDにgugudanといった2014年から2016年にかけてデビューしたグループが立て続けに一線を退いたことで、現在がKPopガールグループにとって世代の分かれ目であることを強く印象付けていた一年でもあった。

彼女達が活躍した第3世代の最盛期はちょうど自分がKPopに興味を持ち始めた時期と重なっているので、ライブへ出かけてその姿を直接見ることの出来たグループも多い。だからこの世代交代という華やかな動きを眩しく感じると同時にそれが生み出す陰影にも自然と思いを馳せている。これから数年は第4世代という名の下に多くの人達がKPopシーンを走り抜けることになるだろうけど、そのキャリアの成否にかかわらず、全てのアイドルを目指した人たちに幸あれと思う。