猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

夏の終わりのKPOP

 

徐々に涼しさを感じる時間が増えてきたような今日この頃、この夏を彩った3つのKPOPを振り返る記事です。

まず6月20日リリースなので3か月も前の話になるけど、Kep1erの2枚目のミニアルバム「DOUBLAST」からタイトル曲「Up!」。

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ケプラと言えばエムネの大型サバイバルオーディション番組出身ということで、同じような経緯でデビューした先輩であるIZONEと比較されることも多い。でもデビュー曲「WA DA DA」の分かりやすくキャッチーな姿勢と、この季節感あふれる「Up!」を歌うことで、少なくとも音楽的には全く違うキャリアを歩いていくことがより明らかになったと感じた。

IZONEは「La Vie en Rose」でのデビューが象徴していたように流行や季節感といった外部の要素からは距離をとり、独自の世界観を築くことで熱狂的な支持を集め、その結果グループの存在が一つのジャンルになった。その成功は期間限定グループという特性を考慮して導かれた戦略の結果でもあったはず。

しかし似たような条件を持つケプラがそれとは対照的に開放的なスタンスで活動する姿からは、彼女達のキャリアがIZONEの過ごした2年半とは大きく異なるものになる未来がよりはっきりしたように思う。

 

次は6月27日リリースのfromis-9「from our Mement Box」からタイトル曲「Stay This Way」。

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海辺に月、過ぎゆく夏のひとときに感じる切なさ、といったモチーフの組み合わせがTWICE「Dance the night away」とよく似ていて、その重なりと違いの対照が面白かった。そしてガルクラな姿勢が好まれる最近のKPOPシーンにおいて、プロミがそのたおやかな女振りで並ぶもののいないことをよく示す曲だった。

そしてプロミはこのアルバム「from our Mement Box」が初週売り上げでキャリア最高の14万枚を記録。自分も買ってた2018年発売のデビューアルバムでの同じ数字がわずか4000枚だったことを思えば、鮮やかな右肩上がりの成功曲線を描いてグループ活動は軌道に乗ったと言える。

しかしそんな折、人気メンバーであるチャン・ギュリさんが「早期契約終了」とかいう理由で8月末で脱退してしまう。どうも以前に元事務所から現事務所へとグループ全体の所属が変わった際、メンバー全員の契約条件をそれぞれ見直すタイミングが生じてしまったためにこのようなことが可能になったらしい。

女優志望という意思は知られていたし、個人的にはアイドル的な振る舞いに染まり切れないところも彼女の魅力と感じていたので、この報せには驚きと納得が半々だった。その一方でプロミの快進撃を見ながら将来を楽観して、日本であの9人を肉眼で拝むことも出来る日も近いと信じ切っていたこともあり、絶好調のグループから推しメンバーが電撃的に脱退してしまうという展開に人生のままならなさを感じてる。

 

最後はIVEの「After LIKE」。

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「ELEVEN」と「LOVE DIVE」の大ヒットに続くことが期待されていた3枚目のシングルでもNewJeansやBLACK PINKとのハイレベルな競争の末に堂々とメロンチャートの1位に立ち、その人気と実力を改めて証明した。

レトロの感性を生かすことで前作までと比べて表情豊かな作品となった「After LIKE」は、特に70年代のヒット曲である「I WILL SURVIVE」の旋律をダンスパートに合わせてサンプリングした点が、見る音楽と表現されるKPOPの、洋楽とはまた違う特徴をとても分かりやすく表現していたと思う。加えてガウル&レイのツインラップはちょっと昔のKPOPの流儀を思わせて温故知新の魅力もあった。

 

にしてもMVのクライマックスを飾った豪勢な花火(本物)のシーンは結構思い切った演出のはずで、それを堂々たるスペクタクルとすることに成功したことでIVEの現在の存在感がとてもはっきりと伝わってきた。

そういえば同じ会社のかつての先輩にあたり、第2世代のアイドルグループとして活躍したSISTERは、夏に相応しい開放的な音楽の数々で人気を得て、やがてサマークィーンと呼ばれるまでになった。第4世代ガールグループの活躍が中心となって盛り上がった8月の音楽チャートを満天の花火と共に「After LIKE」で制したIVEの活躍は、そんな先輩とは違う形で夏の女王の称号を引き継ぐことがあるかもしれない、とも思わせるものだった。