猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

最近気になったKPOP。PURPLE KISS,TRI.BEそしてFIFTY FIFTY

 

IVEにLE SSERAFIMにNew Jeansと、有名なグループを追いかけるだけで満足してしまいそうな最近のKPOPだけれど、見過ごすには惜しいアイドルは数多く存在する。この記事では、そんな中から先日までカムバしていたPURPLEKISSにTRI.BE、そしてFIFTY FIFTYについて触れています。

 

PURPLE KISS「Sweet Juice」

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紫という色が持つ高級感や妖しさのイメージに基いたような独自の世界を作り続けているPURPLE KISSは、2月15日発表の今作でもその姿勢を一貫させていた。その姿はどこかDREAMCATCHERの歩みを思わせて、今後も他と被るところのない彼女達だけの評価を得ていくことが期待される。

現世代のKPOPガールグループの中で屈指のボーカルメンバーを揃えるPURPLE KISSだけに、今回のミニアルバム「Cabin Fever」全体を通して聴いてみてもその音楽的な厚みが感じられる作品になっていた。

New Jeansが起こした波紋がKPOPシーン全体へと静かな衝撃を与える中で、PURPLE KISSのように劇場的で夢幻的な個性を迷いなく表現する姿勢からは不思議な安心感も感じられた。

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TRI.BE「WE ARE YOUNG」

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TRI.BEは会社こそ違えど関わっている製作陣を見ると実質的にあのEXIDの後継グループだと思われる。これまでの作品からもそうした特徴は隠されることなく伝わって来たし、前作「KISS」での独特の癖はその由来を分かりやすく示してもいた。

一方でTRI.BEは「In The Air」など爽やかで瑞々しい王道的なガールグループの姿も披露してきた。そして今回の「WE ARE YOUNG」で見せた明るく伸びやかな舞台は、そんな自分達の適正を証明することに改めて成功したように見える。

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TRI.BEからは日々刻々と変化するトレンドに振り回されることなく、いつの時代でも受け入れられる良質のガールズKPOPを届けようという姿勢が伝わって来る。「WE ARE YOUNG」はMVの再生回数も2000万を超えて、このように真っ当なコンセプトで評価されたことでグループも良い流れに乗ったのではと思う。

 

FIFTY FIFTY「CUPID」

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昨年秋に「HIGHER」でデビューを果たしたFIFTY FIFTY。デビュー当時の世間的な反響は地味なものだったけれど、その音楽と4人のパフォーマンスが優れていることは隠しようがなかった。例えば硬派で有名な韓国の音楽レビューサイト・ISMでは彼女達の音楽と実力をNew jeansとMAMAMOOに例えて賞賛している

そんなFIFTY FIFTY初のカムバとなるシングル曲「CUPID」の英語版が、BillbordのHot100に惜しくも入らなかった曲から選ばれるBubbling under Hot100というチャートの3月第4週において、なんと12位にランクインしたことがニュースになった。ちなみにその7位はTWICEの「SET ME FREE」。※その後、アメリカ時間の27日にHOT100の100位にランクインしたとのこと。

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前作に続いて「CUPID」でも明らかになったFIFTY FIFTYの、KPOP特有の華美な装飾とは距離をとりつつも丹念に作られた音楽は、NewJeans以降のシーンの雰囲気と相まってとても魅力的に聴こえる。

個人的にはメインボーカルの1人であるアランさんの歌声がこのグループのアイデンティティであると思って聴いてる。語りかけるように、あるいは物語を読み聞かせるように歌う彼女の声は自分の狭いKPOPの見識の中ではあるけれどちょっと他に似た人が思い浮かばない。

特に本作「CUPID」は失恋をテーマにした歌詞を軽やかな音楽に載せることでなぐさめを、あるいは気持ちの切り替えを促すような優しさ、または不運を軽く笑い飛ばすようなあきらめも感じられる曲だけれど、彼女の歌声はそんな曲のいくつかの魅力を見事に象徴しているように聴こえた。

ちなみにデビュー作に収録されてる「Lovin Me」が自分はとても気に入って一時期よく聴いていたのだけれど、これを歌っているのはもう一人のメインボーカルであるシオさんのほう。思春期の苦悩と成長を切迫感と美しさで表現した歌声はアランさんとはまた異なる光を放っている。

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FIFTY FIFTYは今のところ韓国において大きな反響を得ていないようだけれど、先に海外で評価されたことが今後にどう影響するにせよ、その音楽的な証明は既になされたと思われる。その姿は巨大な芸能企画社が中心となった熾烈なKPOPガールグループ第4世代の競争の中から不意に飛び出した小さな宝石のようにも映る。