猫から見たK-POP

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CSR「Shining Bright」で思う色々

TWICEなどと共に第3世代アイドルを代表する存在でありながら一昨年唐突に解散してしまったGFRIEND。2022年7月のデビュー以降、そんな先輩への尊敬を隠さないCSRの新曲「Shining Bright(光を追いかけて)」がとても良かった。

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Newjeansを中心とした第4世代アイドルが洗練された活躍を見せている現在のKPOPシーンにおいて「初恋」という意味の言葉をグループ名とするようなスタイルがどんな印象をもたれるか、だいたい予想はつく。けれども周到な準備と真剣な熱意を持って表現されるアイドルの王道は退屈でもありきたりでも古臭くもない、ということを「Shining Bright」は感じさせてくれた。

細かいリズムにパッチワークの如く音を散りばめたKPOPがトレンドとなっている中でこのように一息で物語を語って聞かせるようなステージからは、CSRがGFRIENDだけでなくLOVELYZや初期のfromis-9、Weeeklyなどと共通の魅力を持ったグループだという印象を持った。

 

それにしても、このコンセプトがGFRIENDだと言わんばかりの思い入れの強さはCSRがまったく別の会社からのデビューで、特にスタッフの繋がりなどもないらしいことを考えると少し不思議な感じがする。

現在LE SSERAFIMが所属しているソスミュージックがGFRIENDに対して行った性急な幕引きが記憶に新しい中、ルセラが一応の先輩グループであるはずのヨチンのカバーをこの先披露することなどあるのかと想像すると、その思いの差は更に際立つ。

ともかくGFRIENDはKPOPにおける一種のモデルとして残る存在となり、業界全体でそうしたレガシーを共有するのが普通になっているKPOPシーン特有の開放感・連帯感がCSRのデビューを可能にしたということなのかもしれない。

 

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余談ながらCSRの会社にはLovelyzの父と言われるユンサン氏が在籍していて、さらに元LovelyzのKeiさんも最近移籍してきたとのこと。今のところ直接グループに関わるようなことはないらしいけれど、こうした名前の並びからはこの会社の好む傾向が分かりやすく感じられる。

 

そういえば3月には元GFRIENDのメインボーカルだったユジュさんが二枚目のソロアルバムをリリースしていた。

その歌声を聴きながら彼女の存在はグループに独特の風合いを与えることでGFRIENDを単なる清純系と区別させたいくつかの特徴のうちの大事な一つだったと改めて感じた。CSRには彼女のような存在がいない分だけ初期のfromis9やWeeeklyに近い明るさが感じられる。

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ちなみに元GFRIENDの3名が集まったVIVIZの積極的なコンセプトはメンバーの雰囲気にとても良く似合っているけれど、その溌溂としたステージも逆にユジュさんのボーカルが与えていた陰影を証明しているように思う。

そのVIVIZもライブでは普通にGFRIEND時代の曲を歌い、オムジさんはユジュさんの歌っていた難しい高音パートを見事に歌って見せたりもしている。CSRのデビューも含めて、あのように唐突な終わり方を強いられたとしてもGFRIENDの灯は簡単には消えない、という思いを抱く人々の熱意がいまこうして形になっているように思える。