残暑は10月末まで続くらしいけど、今年の夏に気になってた曲とグループについて今更ながら振り返る記事です。取り上げたのはKATSEYE、fromis-9、UNIS、YOUNG POSSEとLE SSERAFIM。
KATSEYE「Touch」
アメリカのHYBEレーベルであるHYBEユニバーサルから6月にデビューしたKATSEYEが、最近になって韓国と日本で活動を開始。こんなふうに英語圏のメンバーを中心に結成されたグループがスムーズに韓国の音楽番組に出ているのを見ると、KPOPの領域が世界に広がっているのを実感する。
この「Touch」も「debut」もKPOP好きの自分が何の違和感もなく親しめる仕上がりで、さすがのHYBEクオリティという印象を持った。メンバー全員当然のように背が高い上だけでなく韓国のアイドルにはない力強さがあって、わざわざアメリカでKPOPグループを作った意義が見えた。
fromis-9「Supersonic」
前回の活動から一年以上間が空いたためにファンの間から不満の声が上がったりもしていたfromis-9だったが、爽やかさと健康美を併せ持った「Supersonic」でカムバするやチャート一位に躍り出て音楽番組は4冠を達成するなどして旋風を巻き起こした。チェヨンさんが会社をどやしつけた甲斐はあった。
もうキャリア6年目、競争激しい昨今のKPOPガールグループの中で前作から一年以上のブランク、さらにKPOP全体の不況という条件が重なりながらCD販売数をほぼ維持したところにプロミを支えるファンダムの強固さを感じ、グループが正しい道を歩いてきたことを実感する。
UNIS「Curious」
オーディション番組を基に結成されて3月にデビューしたものの、特に関心を寄せては来なかった。それが初のカムバとなる今回の「Curious」が、ひと昔前のKPOPパワーを感じさせつつ若いグループの魅力を上手に引き出すという反転した魅力を持っていて、気になる存在になった。こういう従来の印象が変化する瞬間もKPOPグループを追いかけることの醍醐味だと思う。
今回のアルバムは初動6万枚という、中小出身の新人ガールグループとしては大きな数字を見せていて、潜在能力の大きさを感じさせた。
YOUNG POSSE「ATE THAT」
KISS OF LIFEと並んで新人の注目株とされるYOUNG POSSE。今回は音楽だけでなくユミークなMVで評判を呼んでいた。一見して大人気ゲーム・GTAのパロディと分かる内容だけでなく、見る人が見れば分かる小ネタが色々と散りばめられているとのこと。前作に引き続き、聞いてて楽しいのがヤンパシ、というグループのアイデンティティが映像を通しても表現されている。
韓国内でのファンダムの規模の指標となるCD販売数は伸びていないようだけど、フェス向きの雰囲気はあるし、MVの反響も含め世界にアピールできるグループ。
LE SSERAFIM「CRAZY」
コーチェラ出演辺りから実力論争の渦中に置かれたLE SSERAFIMの騒動後はじめてのカムバということで注目を集めた「CRAZY」は、ルセラらしい曲で特に大きな方向性の変更などはなかった。
そもそもアイドルも歌手なので実力面で評価を下されるのは当然で、歌唱力に関する限りルセラが批判されるのは仕方ない面はある。しかしKPOPアイドルと歌手という二つの意味するところが完全に重なるわけではないとも言えるはず。
ルセラを見ていると、ある程度ボーカルが制約されつつもダンスやフォーメーションの強度を挙げながら、ビジュアル含めて総合的なKPOPエンターテイメントを表現しようとして成功しているように見える。
あのコーチェラも現地の反応は良かったようだし、グループが世界で受け入れられている現状は、そうしたところが評価されているのではと思う。