2024年11月25日にデビューしたiznaはオーディション番組「I-LAND2」から生まれた7人組ガールグループ。YGでBIGBANGやBLACKPINK等を手掛けていたTEDDYが現在プロデュースを担当している。
自分はこの「I-LAND2」を熱心に追っていなかった。決まったデビューメンバーを見てもあまり思うところもなく、少し変なグループ名だな程度の感想を持ちながら何となくデビューの日が近いらしいことを知るだけだった。
だからMAMAでのお披露目ステージも何かを期待するわけでもなく無の気持ちで眺めていたのだけど、舞台で飛び跳ねた7人の姿を見た瞬間、懐かしい感覚を思い出した。かつてのfromis-9やIZONEのMAMAでの姿もこうだった。あの時もこんな感じだった。確かに、iznaもCJ主催のサバイバルオーディション出身ガールグループの系譜に連なる存在だと遅まきながら気付いた。
iznaのデビュー曲は「IZNA」ということになっている。2024年現在のKPOPシーンにおいては、このミニマルでスタイリッシュな音楽が正式なデビュー曲としてより好まれたのだろうと思う。
しかし自分は「TIMEBOMB」の方にiznaにとってより大きな意義と可能性を見た。この曲もわりとシンプルながら、可愛いだけではない確かな抒情性と気品を兼ね備えた奥行きを感じさせる。そこに新たなグループの門出に相応しい存在感があると思う。
更にこの曲の印象を決めているのはその果敢なダンスとフォーメーションという視覚的な側面だと感じる。象徴的なのが曲の一分過ぎあたりでココがセンターに立ち、2列目、次に4列目、そして最後に1列&3列目の順番で交互にジャンプするシーン。大人数グループにしか出せない制御された動きが生む迫力と無防備な可愛らしさを両立させるこの表現を、aespaやNewjeansが席巻して以降のKPOPシーンにおいて披露して見せたiznaの姿に、I.O.Iからfromis-9、IZONEと続いていったCJガールグループの伝統が垣間見えた。
4~5名の少人数編成がトレンドになっている現在のKPOPシーン(女子)では必然的にダンスフォーメーション表現は限定的なものになる。そんな中に2024年の音楽的トレンドと大人数フォーメーションの躍動感を調和させたiznaの存在は、新たな装いで群舞を重視するガールグループの登場という意味があるように思う。
奇しくも先日11月29日、fromis-9が現事務所と年内で契約終了することが発表された。IZNAがMUSICBANKで放送デビューを果たしたのと同じ日の出来事だった。デビューの時から追っていたグループが7年という節目を迎える事実に時の流れを感じつつ、入れ替わるようにiznaが登場するという偶然に、目まぐるしく変化するKPOPシーンの中でも受け継がれて行くものがあるという事を思った。