猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

私の密かな過ち。FIFTY FIFTY「Perfect Crime」の歌詞を読む

 

4月29日にアルバム「Day&Night」の発売を控えて7日に先行公開されたFIFITY FIFTYの「Perfect Crime」。いま自分の中でこの曲がヒットしており、その歌詞が表現する情景に惹かれたので自分なりの翻訳とそれについての解釈を考えた。

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내 맘 조금 이상해

ね まむ ちょぐむ いさんへ

心が少し変な感じ

 

왠지 맘이 조급해

うぇんじ まみ ちょぐぺ

なぜか気持ちが焦ってる

 

I’ll wait, I’ll wait, I’ll wait

君のこと待ってる

 

 

이 밤 가기도 전에

い ぱむ かぎど じょね

夜が明ける前に

 

내 맘 들킬까 네게

ね まむ とぅるきるっか ねげ

この気持ちが知られたら

 

I hate, I hate, I hate

やっぱり無理

 

To wait, oh yeah, oh yeah

待てない

 

숨겨둔 내 Perfect crime

すむぎょどぅんね perfect crime

密かに隠していた私の過ち

 

마음에 새겨 like that

まうめ せぎょ like that

どうしようもなく心に刻まれてる

 

알 수 없지 너는 tonight, ah

あるす おぷち のぬん tonight,ah

今夜の君にはわからないでしょ

 

너를 향해 던진 dice

のるる ひゃんへ どんじん dice

君に向かって投げたダイス

 

Bet I know you like that

きっと君もそういうの好き

 

말할 수 없어 tonight

まらる す おぷそ tonight

でも今夜は言えない

 

Ah, 1, 2, 3, 4, 5 as I'm falling,

1, 2, 3, 4, 5 落ちていくたびに

I go crazy, crazy

私は狂っていく

For ya, for ya, for ya, for ya,

君のせいで

crazy, crazy

おかしくなる

 

떨리는 이 목소리

とるりぬん い もくそり

震えるこの声は

 

너를 기다리잖아

のるる きだりじゃな

君を待ってるせい

 

Until you’re here, you’re here

君が来るまで

 

조용했던 내 맘에

ちょよんへっとん ね まめ

静まり返ってた私の心

 

너를 마주한 순간

のるる まじゅはん すんがん

君と出会ったその瞬間

 

You’re there, you’re there, you’re there

君は確かにそこにいて

 

 

나를 삼킨 Perfect crime

のるる さむきん Perfect crime

私を飲み込んだ密かな過ち

 

마음에 새겨 like that

まうめ せぎょ like that

どうしようもなく心に刻まれてる

 

사라지지 않을 tonight, ah

さらじじ あぬる tonight, ah

今夜は消えたりしない

 

너를 향해 던진 dice

のるる ひゃんへ どんじん dice

君に向かって投げたダイス

 

Bet I know you like that

きっと君もそういうの好き

 

말할 수 없어 tonight

まらる す おぷそ tonight

でも今夜は言えない

 

Ah, 1, 2, 3, 4, 5 as I'm falling,

1, 2, 3, 4, 5 落ちていくたびに

I go crazy, crazy

私は狂っていくの

For ya, for ya, for ya, for ya,

君のせいで

crazy, crazy

おかしくなる

 

Dream 속에 너를 Hold you like

Dream そげ のるる Hold you like

夢の中で君を抱きしめる

 

Breathe just imagine a love like this

深く息をして、こんな恋を想像してみて

Everywhere you go

あなたがどこへ行こうとも

 

1, 2, 3, 4, 5 as I'm falling,

I go crazy, crazy

1, 2, 3, 4, 5 as I'm falling,

I go crazy, crazy

For ya, for ya, for ya, for ya,

for ya, for ya, for ya

1, 2, 3, 4, 5 as I'm falling,

I go crazy, crazy

For ya, for ya

1, 2, 3, 4, 5 as I'm falling,

I go crazy, crazy

感想

自分の強い恋心に戸惑いつつ、それを意中の人物に気付かれてはならないと思う主人公は、その状態を「Perfect Crime」だと表現する。自分の本心はすでにはっきり明らかだけど、まだ相手には気づかれてない。だから完全犯罪。

道ならぬ恋のためか、あるいはこれまでの関係性が壊れてしまう事への怖れか、ともかくこの気持ちは知られるわけにはいかない。でも本心では気づいてもらいたい、という矛盾に苛まれる主人公は、大胆にも相手の気持ちを確かめるためにダイスを放って見せる。それは直接的な言葉ではなく、いたって些細な仕草だったかもしれない。そして相手も自分と同じ気持ちだという方に賭け(Bet)る。

 

「震えるこの声」の箇所では感情の高ぶりが声に表れてしまった場面や、相手との出会いが世界の風景を一変させた瞬間が描かれる。いずれも青春映画の1シーンを容易に思い起こさせる、視覚的な連想を促す一節だと思った。

 

何度も繰り返される歌詞から伝わるように、この曲は夜を舞台に展開されていることが大きな意味を持っている。夜というのは感覚が研ぎ澄まされ、露わになった自分の内面と向き合う時間であると共に、12時を境に時の流れが寸断されてしまう切迫感をも伴う。それはシンデレラの昔から変わらない。迫る刻限と、今夜が永遠であれと願う心が重なった時に夜という時間は特別な舞台に変化する。

 

「夢の中で君を抱きしめる」。この部分だけは矛盾や葛藤から離れて、空想の中で優しく自分の本心を肯定している。その歌詞と同様にこの節の音楽は穏やかに響くが、それはあくまで理想の世界であることを表現する。

 

「Perfect Crime」は繰り返される「1, 2, 3, 4, 5」というカウントアップに続く「as I’m falling」という歌詞で、恋に落ちる高揚と恐怖あるいは制御不能の感覚が、まるでジェットコースターの上下運動ように表現されている。

完全犯罪のように自分の気持ちを内に秘めていた主人公が淡々としたカウントに合わせてあっさり「狂って」しまう。理性を超えて成立する恋の凶暴さを感じさせると同時に、結局は無力にも感情に身を委ねてしまう主人公の姿はどこか官能的でもある。そんな自分の姿を端正に歌い上げるところに、この「Perfect Crime」の魅力が集約されてると感じた。