猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

EVERGLOWにWEKI MEKIに公園少女、みんな順調な夏。

世間では色々と騒々しいことも多いようですが、KPopシーンの7、8月はとても順調でした。

ITZYやレッベルといったビッグネームを始め、EVERGLOW・WEKIMEKI・公園少女といった、このブログ的に気になる新人・中堅どころのグループも数多くカムバして華やかな競演を見せてくれました。

目次

EVERGLOW「Adios」

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デビューから5ヶ月と、わりと順調にカムバしたエバグロの新曲「adios」は、不穏で高慢な美しさを表現した前作「ボンボンショコラ」のコンセプトを守りながら、「私が主人公じゃないといけない」と歌う、より攻撃的な姿で戻ってきました。

この曲、聴けば誰しも感じるように結構なブルピン感があります。でも面白いのは、その偉大な先輩には感じられた韓国的情緒とでもいうべき要素が、こちらではかなり薄くなっているところ。

うまく言葉に出来ないけれど、陰りや哀愁それに粘りのような独特の質感がブルピンの洗練された楽曲の中には確かに感じられた一方、「adios」にはそうした感触が薄く、もっと純粋に尖って硬質な感じです。

これは、エバグロの曲を聴くことで結果としてブルピンの中心であるTEDDYの存在が浮かび上がってくるようでもあり、外国の作曲家陣が同じ様な方向性を目指したときに生じる差のようなものも感じられて面白いと思いました。

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MV再生回数は早くも4000万に迫る勢いで、公開一週間ですでに5ヶ月前のデビュー曲の数字を上回っていることから、韓国国内での人気はともかく世界的な注目度は高まっているようです。

ただあくまで個人的な欲を言わせてもらえば、音にしろ歌詞にしろ、あまり尖りすぎると注目メンバーであるシヒョン&イーレンに感じられる東洋的な柔らかい魅力が無理にそぎ落とされてしまう気がするので、この方向性は良いとしても、これから更にエバグロだけのバランスを身に付けて欲しいなと思いました。

あとアルバム収録曲「hush」も、タイトル曲とは打って変わって儚く美しい感じでよかったです。

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Weki Meki「Tiki Taka」

しばしば低迷しているとか表現されてしまう、アイオーアイから派生したグループの中ではかなり頑張ってるWeki Mekiが、前回から3ヶ月ぶりに軽快で爽やかなサマーソング「Tiki-Taka」でカムバしました。ティーンクラッシュというコンセプトを続けてきた彼女達にしては、意外にも素直な魅力を表現した舞台になっています。

前作「Picky Picky」は、グループにはっきりした輪郭を与えた佳作だったと個人的に思っているんですが、今作の出来を見て、改めてWeki Mekiというグループが地味に軌道に乗り始めた事を感じてます。

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一時は事務所の上のほうが揉めてカムバどころじゃなくなったりして、どうなることかと思われた時期もありましたが、このように順調な音楽活動を見ていると色々と良い方向に動き始めたのかなと思います。

個人的にはまだメンバー全員の名前を覚えるところまでは行ってないんですが、Weki Mekiって単純に可愛いとか綺麗とかいう感じじゃなくて、何というかみんなマペット(アメリカの人形劇のキャラ)みたいな雰囲気と愛嬌があるなと勝手に思っていて、そこが他の多くのグループと一線を画すことになっているような、そんな気がします。

 

公園少女「RED-SUN」

デビュー以来続いていた「夜の公園」3部作シリーズを「RED-SUN」で締めくくった公園少女。

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この1年、音楽番組で一位を取るような派手な話題はありませんでしたが、その繊細な可愛らしさと前向きなメッセージをダンス・サウンドに載せて表現するスタイルで地道に支持を集めて来た印象があります。

そんな公園少女について改めてすごいと思うのが、「デビュー作から三部作で行きます」と宣言して一年間その通りにミニアルバムを三枚発表し、しかもその一つ一つのクオリティが一貫しているという、所属事務所(キウイメディアグループ)の確かなプロデュースです。

グループをデビューだけさせて一年以上ほったらかし、時にはそのまま自然消滅みたいな事務所が珍しくないのがKpopの世界であることや、公園少女がこの事務所最初のアイドルグループであることを考えると、これは特筆すべきことだと思います。

その仕事ぶりは、サブ活動曲が毎回タイトル曲に負けない存在感を持つことにも表れていて、今回のカムバでも穏やかな夏の陽気を感じさせる「All Mine」がとても良い感じでした。

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三部作を終えた公園少女のこれからですが、上記のようにシリーズを貫徹させた事は評価出来る一方で、しかし数字の上では大成功とは言えないことも認めないといけないんだと思います。

私は今の姿を好きになった人間ですが、世間的に見るときっとそれだけでは駄目なはずで、ここから更に上を目指すためにどうすればいいのか、新たな始まりに向けた奮起が期待されます。

 

大きな事務所が万全を期してリリースする曲の素晴らしさとはまた別に、こうした中規模事務所の新人グループには一曲一曲に試行錯誤と自身の浮沈を賭けた懸命さが透けて見えて、そこが個人的には独特の魅力になってます。

そして自分の追いかけているグループだけでも、こうして並べてみるとそれぞれに表現しようとしているものが細かく異なることに、改めてKPopの面白さを感じました。