猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

黒く輝くクリスタル。CLC「Black Dress」

ある程度の知名度はありながら、個人的には興味の当落線上からギリギリ外れていたグループ、CLC。メンバーは揃っているけどヒットに恵まれずに伸び悩んでいる、そんな多くいるグループのひとつという印象でしたが、最新作「Black Dress」は少々様子が違いました。

これまでの少しぼんやりした清純系コンセプトとは違って、今回はきりっと引き締まったクールなイメージ。自分の魅力を誇示して堂々と異性に向き合う女性の姿を表現しています。一年前に大胆なイメチェンを図って賛否両論あった「Hobgoblin」ほどの強烈さはないけれど、その分うまく従来のイメージとのバランスが取れていると感じました。

そしてなにより「Hobgoblin」に寄せてきたという点が、個人的には歓迎できます。

私にCLCを「その他大勢のアイドル」から区別させた曲がその「Hobgoblin」だったのですが、強いインパクトを持ったこの曲は従来からのファンを戸惑わせたのか、次の曲から再び清純路線に戻ってしまい、そのせいで私の関心からは遠ざかってしまった。

しかし再び尖り始めたCLCを見て、やはりこのグループにはこの雰囲気が合っているんじゃないか、と改めて思いました。そんな感想を持つ大きな理由のひとつが、リーダーにしてメインダンサー・スンヨンさんの、曲の中での存在感。

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この世代のアイドルには珍しい、妖しさと高慢さを兼ね備えたようなルックス。少しブルピンのジェニーさんにも似た独特の美貌は間違いなくCLCにオリジナリティをもたらして、他のグループとの差別化になってます。

「Hobgoblin」と「Black Dress」に共通する積極的なコンセプトを最も良く反映して輝いているのが、そのスンヨンさん。

「トッケビ」のMV。黄色いレオタードに赤いジャケットという、ちょっとどうかした衣装をスンヨンさんが着こなしてしまった時点で、このグループの行くべき道はきまっていたんじゃないでしょうか。今作 「Black Dress」でもけっこう独特なソロダンスパートを全然違和感なく踊りきってしまってます。この独特の雰囲気が出せるアイドルはそう多くないはず。

リーダーとしてだけではなくコンセプトの面でもグループを引っ張れるのが彼女なのではないかと、私は思ってます。

そして今回、はっきりと存在感を示したCLCの姿を見て、アイドルにとってのステージというのは全ての答えが出る場所だと改めて感じました。

「Black Dress」のCLCは実に堂々として魅力的に見えて、ひとりひとりの個性が自然と現れてくる。古臭い表現ですが、水を得た魚といった感じ。

逆に言うと、たとえ普段から応援しているグループでもカムバックがいまいちだったりすると、あんなに魅力的だったはずのメンバーが、なんだかとても無力に見えてしまったりもします。

ステージというのは公平であると同時に残酷な場所でもあると、最近のガールズグループのカムバックラッシュの中で思いました。