LE SSERAFIM×OVERWATCH2
ゲームメディアに一斉にLE SSERAFIMの名前が躍ったOVERWATCH2とのコラボは、オリジナルソングの発表とゲーム内スキンの実装という互いの世界観を共に生かした理想的な組み合わせだった。LE SSERAFIMがデビュー以来打ち出して来たアスレチックな健康美と攻撃的防御とも言うべきコンセプトが、OVERWATCH2のようなキャラクタの魅力を前面に押し出した競技的FPSとの相性が良い点に着目した優れた施策だったと思う。
コラボ曲「Perfect Night」は音楽・振り付け共に好評を博していて、グループに有力なレパートリーが加わることになった。軽快で肩の力を抜いた雰囲気はどこかNewjeansを思わせるけれど、LE SSERAFIMにもこういう曲への適性があることを5人の姿が証明している。特にカズハの優雅で活発な姿は最もよく曲の魅力を体現して「Blue frame」で初登場した時の光景を思い出させた。
このように綺麗にはまった今回のコラボを見ていると、たとえば同じように活躍している第4世代KPOPアイドルの中でも、コンセプトがもっと曖昧かつ多様なNewjeansやIVEでは全く同じ効果は出せなかったのではないかと思う。
実際Newjeansは似た様なタイミングでLOLの世界大会のテーマソングを歌っているけれど、競技性の強いゲームに求められるような、強さやスピードあるいは重量感を含んだイメージは彼女達が普段から避けているとさえ思われるので、コラボの形態が異なるにせよ、今回のLE SSERAFIMが見せたほどのシナジーは得られていないように見える。
ちなみにaespaだったらLE SSERAFIM同様少数精鋭かつアグレッシブな個性では全然負けてないけど、既に存在するグループ独自のアバター設定が邪魔をして話がややこしいことになっていただろうと想像できる。凝り過ぎた設定は裏目に出ることもある。
NiziU韓国デビュー
デビュー当初のITZYには今のLE SSERAFIMと似たような雰囲気と、Newjeansが登場した時のようにグループの誕生を歓迎する空気があったような気がする。
そんなことを思っていたら、韓国に乗り込んだJYPファミリーの一員であるNiziUが11月8日「HAERTLIS」で音楽番組1位を獲得していた。日本人だけからなるアイドルグループが韓国語で歌って得たこの結果は彼女達がKPOP大手のJYP所属という条件を考慮しても画期的。
それにしても韓国デビューといいつつ実際のキャリアは3年あるのにもかかわらず、普通の新人に見えてしまう清新さを失わない9人の姿はそこだけ時間が止まったかのよう。ITZYやNMIXXのように鋭い個性を表現するJYPガールグループに続いて登場したNiziUは、彼女達こそTWICEの正統派路線を引き継ぐ存在であることが今回より明確になったと思う。