このブログを始めたばかりの頃、APRILの「Take My Hand」を褒めるためにそれ以前の彼女達の活動を「ただ可愛いだけ」とか表現してしまったのは今考えると軽率だったなと思います。
「可愛い」にどうやって中身を詰めるのかが問われてるアイドル世界で、その大事な仕事をきちんと仕上げているからこその「Dream Candy」であり「TinkerBell」での可愛さだったんだと、(中身を詰め忘れてるような)色々なグループの姿と併せて見ることで遅めに学びました。
そんな再評価の反動なのか一時私の頭の中は「パラパパー」一色になっていたのですが、こうなると逆に気になってくるのは「April Story」以降の切なくドラマチックなメロディを重視するグループとしての傾向です。
いつまでも妖精みたいな雰囲気でいられるわけはなくそれなりの変化は必要だと思う一方で、笑顔を隠したステージからはAPRILらしさとは何かと考えることも。
おまけに前作「The Blue Bird」は少々精彩を欠いて見えたというか「Take My Hand」の焼き直しに聞こえてしまい、ブログで取り上げる気が起きず。
正直、今のKPopアイドルシーンの熾烈さを考えたときにAPRILの現在地は決して余裕のあるものには見えません。一般的には成功してないアイドルに分類されてるようだし、このままだとその他大勢として埋没してしまう恐れもあるのでは、とか思ったりもしました。
そんな状況で迎えた今回のカムバック、曲の出だしを聴いた瞬間にAPRILと、この曲に関わった人達の勇気を感じました。
独特の落ち着きを感じさせる旋律で始まりながら、実際には目まぐるしく6人が歌とダンスを繋いでいく「oh my mistake」。
わたし可愛くってごめんなさい的な、ちょっとレトロに生意気な感じの女の子イメージを演じるAPRILが逆に新鮮です。まじりっけなしの可愛さで活動してきたAPRILだからこその説得力を持つ曲とも言えるかもしれません。
デビュー3年目にして自分達の可愛さを開き直ったかのような曲を、シャープな振り付けと大人びた雰囲気を併せて表現しながら歌うことで、グループの新たな魅力を見せています。
そしてこの敢えての余裕を漂わせる「oh my mistake」、初期の純粋可憐さを模倣するのでもなく、行き詰まりを感じさせた切ないコンセプトを続けるのでもなく、果敢に新しい姿を見せることでAPRILは前へ進むんだという全員の気持ちを感じました。
タータンチェックの衣装やシックにまとめた髪色など、これまでになく洗練された姿を見せている本作を眺めていると、当たる光の色や角度は変わってもそこに浮かび上がっているのがAPRILの可愛さや美しさだと感じられるなら、きっとそれが有るべき姿なんだと思います。
音楽番組1位とかチャートインだとかは確かにアイドルとしてのひとつの目安だとは思いますが、APRILにはそうしたものとは関係なくファンから愛されていて欲しいと思わせる不思議な魅力があるような気がします。
そしてステージで華やかな笑顔が行き来してるのを眺めていると、やはりAPRILはこうでなくてはと改めて感じました。
特にレイチェルさんを見ててそう思いました。
今回の「oh my mistake」はAPRILの確かな可愛さと存在感を新しい装いで示す事に成功した作品になったのではないでしょうか。
ちなみにサブ活動曲はいつものAPRILという感じでした。