猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

日プ女子の感想いろいろ

 

アイドルオーディション「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」が12月16日に最終回放送を行い、11人組グループ「ME:I(ミーアイ)」を結成して幕を閉じた。十人十色・多士済々の個性的なメンバーが選ばれて、2024年からのアイドルシーンを盛り上げてくれる期待を感じさせるグループが新しく誕生した。

改めて最終順位表を眺めると、序盤からデビュー圏内を維持した候補が順当に選出された、意外性の無いけど説得力はある結果になったことが分かる。その中で注目点としては飯田栞月と村上瑠杏の当選が挙げられる。

第6回投票において17位から3位に急上昇して、そのままの勢いで2位になった村上さんの動きは、候補者の脱落によって行き場を失った票が集中したからということなんだろうけど、なぜそれが他の有力候補ではなく彼女に起こったのかは結局彼女自身の魅力で説明されることだと思う。

もう一つサプライズとなったのが飯田さんの選出だった。放送開始前の自己紹介VTRで宝塚の発声を披露したのが面白がられて注目を集めるも、定位置は30位台。いわゆる「ネタキャラ」かと思われたが、その経歴で身に着けたクラシックな発声と悪戦苦闘しながら真剣にアイドルの舞台に向かう姿がやがて視聴者の関心を惹きつけることになったと思われる。

produce101.jp

個性的な面々が揃う中にあっても、笠原&石井の2人はそのキャリアから来る存在感と説得力が強く印象に残った。デビュー有力と見なされた参加者は複数名いたけれど、彼女達には単なる知名度の有無や注目度の高さではない、現実のアイドルキャリアから来る動きの深さ、格の違いがあった。

おそらくこの二人はME:Iにあって正・副キャプテンのような役割を期待されることになる。特に笠原さんは早くも先頭に立ってグループを引っ張っていく姿勢を見せていて、メンタル面で彼女がグループに及ぼす影響はとても大きなものになると思う。

 

番組を彩った課題曲の数々も、宇多田ヒカルやPerfumeにSPEED、安室奈美恵などJPOPを積極的に採用すると共にY2Kブームの影響も感じられる「日プ」ならではの選曲になっていた。

意表を突く選曲だったのは韓国語曲「RUNRUN」だった。そして個人的にはこれが今回のプデュ全体を通したベストステージの一つでもあった。日本のアイドルが囲い込まれた見えない枠を砕いた先にある可能性を示して、サバイバルオーディションの単なる課題曲以上のものに感じた。控室の一角で固唾をのんで見守っている様子の参加者の姿も、そこに何か感じ取っているように見える。

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原曲はこっち。

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こうして無事に結成されたME:Iに対する関心は、早くもどのようにデビューするかという点に移る。

KPOPと日本人アイドルとの重なりを考えた時に参考にするべきはNiziU先輩とXG先輩の成功になる。大きく異なる両者の姿は日本人女子がKPOPを参照した時に取れるコンセプトの幅を示していて分かりやすい。

WIZONEの残党としては番組中で幾度となくIZONEへの言及が見られた点も気になる。これはME:Iが同じく「PRODUCE」シリーズから生まれたという経緯を考えれば直系の先輩として触れることは自然なのかもしれない。でもNiziUやXGがある特定の意図を持って選ばれたメンバーからなるのに対して、ME:Iの場合は平たく言えば人気投票に基いた寄せ集め。だから同じくIZONEのように幅広いステージを披露する形もあり得る。

ただIZONEにも要となる美意識はあって、それをデビュー曲ではっきり示したことがその後の基準になった。だからこの11名がME:Iとしてどんな音楽で、どんな姿で登場してくるのかはとても大事になってくるし、そこに期待もしてる。