猫から見たK-POP

ガールグループ中心に思ったこと書いてます。

Weki Meki「Picky Picky」で弾ける。5月のカムバ振り返り

もう6月になってしまって、チョンソミさんや宇宙少女そしてfromis_9といったアイドルのカムバラッシュが目前ですが、ここでは5月にカムバしたガールグループの中で特に触れておきたいと思った三組について書きます。

BVNDIT「Dramatic」

つい先々月の2019年4月10日にデビューしたばかりのBVNDIT(バンディット)は、あのチョンハさんを成功させたMNHエンタテイメントが送り出すアイドル第二弾。

f:id:skykuroneko:20190602182826j:plain

元々チョンハさんを含めたグループとして予定していたところが、準備の都合により彼女だけソロでデビューしたという由来を持つためか、デビュー曲がとてもチョンハさんっぽかった。

これならソロとグループで二つに分けた意味は?とか思ったけれど、デビューから間髪入れずに披露された「Dramatic」は改めてBVNDITの方向性を示すような出来でした。

www.youtube.com

始めに聞いた時はなんか抑揚のない曲に聞こえたものの、段々とこれはこれでいいような気がしてきた。パニャパニャの部分がどうしたって耳に残ります。

少数精鋭のクラッシュ系とでも言うべきアイドルジャンルは、BLACKPINKを筆頭にアイドゥルやITZYといった強力なライバルがひしめく激戦区。構成人数が少ない分、個々のメンバーを見ても個性的な面々が揃うだけに、下手なグループではまともに存在感を示せないような厳しさを感じます。

そんな舞台にBVNDITを送り込んだMNHエンタテイメントは、チョンハさんの活躍から確かな仕事ぶりを感じさせる事務所だけに、少人数グループという形態でどういう将来を描いているのかが楽しみです。

あとメインダンサーでよくセンターに出てくるスンウンさん(18)。

f:id:skykuroneko:20190601225154j:plain

この人とチョンハさんと併せてみると、この事務所のルックスの好みって分かりやすいなと思います。

 

Lovelyz「Beautiful Days」

5月20日に「Beautiful Days」でカムバックしたラブリズ。

www.youtube.com

5年目のグループの風格を感じさせるラブリズのステージは、やはり美しかった。

有名なKPopアイドルグループは数あれど、美しさの表現という意味ではラブリズは現世代で間違いなくトップクラスだと思います。

楽曲の完成度だとかKeiさんに代表される歌声の素晴らしさだとか、その美しさを説明する要素は色々とあると思いますが、やはり個人的には「群舞」の存在を強調しておきたい。

全員の動きを単純に鋭く揃えるだけではなく、時に緩急をつけたり、あるいは波紋のようにわざとずらしたりしながらも、全体として一つの表現に統一されていく群舞の美しさ。伸ばした脚や掲げた腕の角度が一斉に揃うシーンなどため息が出るレベルです。

大人しい美しさではなく、見る者の目を醒ますような迫力を群舞を通して魅力を表現出来るところがラブリズならではだと思います。

いきなり話は少し逸れますが、そんなラブリズの所属するウリムに日本の現役アイドルとして高橋朱里さんが加わった事には特別な意味を感じます。

よく「カル群舞」とも言われる、KPop特有の一糸乱れぬ集団ダンスパフォーマンス。ウリムエンタテイメントは、ラブリズの先輩であるINFINITEの頃からこの群舞における名家とも呼べる評判を得てきたと思います。

KPopの名門とも呼べるそんな事務所へ日本人しかも現役のアイドルが加わったという事は、最近では全然珍しく無くなった日本人のKPopグループ所属という流れとはまた別の、鮮やかな意義があるように思えてとても楽しみです。

新グループについては、おそらく6人組であるとか、今年のデビューを目指しているなどという情報くらいしか明らかになっていません。先輩であるラブリズとは異なるコンセプトで来るだろう事は普通に予想できることですが、ウリム特有の群舞という伝統を引き継いだグループであってほしいと思います。

 

Weki Meki「Picky Picky」

I.O.Iの人気メンバー2人を擁し、ティーンクラッシュという独特のコンセプトで2017年夏にデビューしたWeki Meki。

f:id:skykuroneko:20190602204835j:plain

しかし馴染みの薄いコンセプトに加え、I.O.Iをリアルタイムで追いかけていなかった自分にはユジョン&ドヨンという人気者2人の魅力が良く分からない、という理由もあり個人的にはそんなに興味を持ってなかった。

世間的にもクグダンやプリスティンと並んでデビュー後に苦戦してるI.O.I系のグループのひとつ、という印象を持つ人が多かったと思います。

しかし5月14日に発表された「Picky Picky」には、ひとことで言うと「Weki Meki、覚醒した」という感想を持ちました。

www.youtube.com

軽快に弾ける音楽と印象的なフックに勝気な歌詞、そして何より溌剌としつつも高度に統制された8人のパフォーマンスが炸裂していて、「ティーンクラッシュって何?」という疑問に対するはっきりとした答えになっています。

Weki Mekiがやりたかったこと、やるべきこと、出来ること、その全部がキレイに合わさって、とても完成度の高い舞台を作り出すことに成功していて、特に最終盤でエンディングに向かって雪崩込んでいく感じが個人的に大好きです。

「Picky Picky」はこれまでの停滞したイメージを突破して、元I.O.Iメンバーのいるグループという修飾を過去のものにする。あるいは彼女達にとっての名刺代わりとなるパフォーマンス。少なくとも私の中ではそれくらいの一曲でした。

しかし残念ながら、今のところチャートなどで目立った動きは無く、世間的にも特に反響と呼べるものはなさそう。

f:id:skykuroneko:20190602204346j:plain

それでも、ステージ全体にこれがWeki Meki、というオーラが充満してる「Picky Picky」はキャリアにおける大事なきっかけになる予感がします。今回の舞台を基準にして行けば、自分のようにその魅力に気付く人間は増えていくと思います。

www.youtube.com

 

LovelyzとWeki Meki。並べてみると、まるで表現するものの違う二組に見えます。

しかし、両者ともにグループコンセプトという理想の実現に向けて努力を重ね、舞台でのハードワークを通して結果を出すという前向きなベクトルを感じさせる点、「これこそがKPop」という思いを抱かせることで共通していて、見ていて胸がすく思いがしました。

ラブリズにはこれからも変わらずに多くの美しい舞台を見せて欲しいし、まだデビューして2ヵ月のBVNDITはこれからどのように化けるのか楽しみです。

そしてWeki Mekiは、I.O.Iという美しい過去にいつまでも足をとられることなく、前だけ向いて自分達の道を歩いていって欲しいと思います。