早いものでデビューからもうすぐ1年が経ち、ファンミやらツアーやらでIZONEを追いかけながら、自分の額のWの刻印が濃くなるのを感じる今日この頃。ブログのグループカテゴリーでもIZONEがダントツになってるし、ここまでになるとは一年前には予想してなかった。
というわけで、どうして自分がここまで惹かれることになったのか、この機会にいったん頭を冷やして考えてみることにしました。
約束されたスペクタクル
まず誰もが考えることとして、確かに期間限定グループという条件の力は強い。
本来なら交わるはずのなかった国籍も事務所も違う12名が一つ屋根の下(二つだけど)に集い、絆を強くしながら限られた時間を駆け抜けていく姿に心動かされないのは難しい。
それに加えて、IZONEという華々しい時間が終わった後で彼女達を待つものは何かという、将来への不安という影の部分も意識せざるを得ない。
メンバーによっては、その先も花道が続いているだろうと予想できる人がいる一方で、事務所も小さいし、どうなるんだろうと色々と考えてしまう人もいる。だからこそ、少なくとも今だけは目いっぱい輝いて欲しいとか勝手に想像して更に思い入れを強くしてしまう。
このように華々しいデビューと定められた解散という、KPopの世界ではごく限られた存在にしか与えられない貴重な二つのドラマの組み合わせは、いわば序章と終章を完全に備えた豪華な物語。
これだけ感動の条件が揃えば人の心を惹き付けるのは自然な事に思えます。
でも冷静に考えるとこのドラマ、実はもう3回目。プデュの先輩であるアイオーアイとワナワンという2つのグループが辿った道でもあるし、おそらくはX1も後に続くはず。
意地の悪い表現かも知れないけど、ここには出来上がった感動の方程式が存在してるとも言える。
でも当然、IZONEの魅力が仕組まれた感動の公式の中にだけ存在してるはずがない。皆が彼女達にしか描けない風景を見て夢中になっているはずです。
そして自分にとってのそれは一体何だろうと思った。
IZONEであるということ
私が惹かれているのは、今現在彼女達が見せている姿そのものです。
具体的に言うと雄大とか、華麗とか、アイドルにとっては少し大げさに聞こえるかもしれないそんな修飾語を難なく背負えるIZONEの堂々とした舞台での姿。
新人でありながらあの大型番組「PRODUCE」出身ということで、TWICEやRed Velvet、そしてBlackPinkといった諸先輩方を意識しながら成功を宿命付けられるという大きな期待を背負っているグループ、それがIZONEです。
そしてこの3人の女王とも呼べるグループは、今ガールグループがやるべきコンセプトをほとんど網羅しているようにも見えます。カラフルで可愛らしい姿から、自分自身を貫くオリジナルな姿、人目を振り切って歩き続ける力強いガールクラッシュ。
多くのアイドルがその強い影響下に置かれて、自然と選ぶべきコンセプトの幅も限られているのが今のKPopシーンと言えるかもしれない。
そんな中でIZONEが歩き始めた道は上に挙げたどれとも違う、聴き手を勇気付けながら「素晴らしい人生を共に歩こう」と真正面から歌い上げる、伝統的な楽天主義とでも言うべきものでした。
デビュー曲ラヴィアンローズだけでなく、ヴィオレッタやハイライトに至るまで、その曲は多彩で表現の仕方も異なりますが、IZONEが歌っているのはつまり「前を向いて生きよう」というメッセージで共通しています。
こうした王道的メッセージは聴く相手の年齢性別を選びませんが、新人アイドルが歌うにはテーマとして軽快さに欠けるとか、または主張に尖りがない分だけ退屈に感じられたり、あるいは迫力不足から「小娘どもがなにを小癪な」と思われたり、つまりコンセプトとして掲げるには重過ぎる旗になってしまう危険もあったはず。
でもIZONEは見事に「La vie en Rose」でその旗を掲げて見せ、続く「Violetta」でもそのはためきは悠々として変わりない。私はその華麗で重厚な刺繍の施された旗を見上げながら、だから自分はここにいると実感します。
分かりやすい刺激や愛嬌には欠ける、そんなIZONEのデビューが韓国のウェブで多少「古風」であると指摘されているのを見た記憶がありますが、これは彼女達の特徴を一面では言い表していたと思います。
しかし瞬間瞬間の勢いや派手さは無くても鳳凰の羽ばたきはゆったりと大きく、そして結局は誰よりも高く遠くへ飛ぶもの。
私がIZONEに感じている魅力は、こうして大勢の人々に肯定的な言葉を正面から怯むことなく語りかけようとする姿勢で、それはただ可愛いのひと言で表現しきれるものではないという事を、「La vie en Rose」の舞台映像を見るたびに感じています。
勝手に選ぶIZONEの衣装best10
そんな風に自分を引き込んだをIZONE。
その魅力的な世界観を構成する要素には12人の個性や曲・振り付けそして舞台から離れた時に垣間見えるチームの日常まで、様々なものが挙げられます。
ここからはその中から視覚的に重要な要素としての衣装について触れてみたいと思います。
はっきり言ってIZONEは衣装も洩れなく素晴らしい。
2018年デビューの新人アイドルでありながら感じられる、程よいコンサバティブな感覚は、「La vie en Rose」を始めとする曲自体の中にも存在していたと思いますが、この落ち着きある上質な世界観を表現しようとする意思は、衣装の選択にも盛り込まれています。
その衣装ですが、これまでに出演した音楽番組に各授賞式・コンサート・日本活動など併せておそらく50セットを越すと思われます。
しかもIZONEは12人という大人数グループでありながら全員揃いのユニフォーム衣装を着て舞台に上がる事がほぼ無いので、計算すると50×12人分で少なくとも600種類の服が存在していることになる。
全ての衣装を厳密にチェックしたわけではありませんが、以下は色々と見た中から何となくざっくりと主観で選んだランキングだということをお断りしておきます。
では10位から。
10位 KCON THAILANDの「ひまわり」衣装
センター本田さんでスタートする「ひまわり」。とにかく可愛いさだけに全振りしてるダンスがお気に入りです。特にクァンベのパートとか、ほぼ無表情&キュートな振り付けという組み合わせは凶器。
この曲も確か「HIGHLIGHT」と同じく、EYES ON MEコンサートをきっかけに振り付けがついた曲だったと思うんですが、これで二枚のアルバムに収録されている曲はバラードを除いた全てに振り付けがついたことになっててすごい。
この舞台の衣装は白、薄い黄色そして紫。淡く爽やかな色の合わせ方とシンプルな服のシルエットが曲の雰囲気と合っていて、IZONEの清潔感あふれる可愛らしさを引き立てていると思います。
なのでてっきりこの衣装は、この「ひまわり」ステージのためだけに新調された、現時点でのIZONEの最新衣装なんだと思っていたんですが、違いました。
この写真は約半年前、4月10日のショーチャンピオン出演時のもので、基本的な色と服の型が今回のものと同じですが、襟元とかの飾りが無いぶん簡素になっています。
つまりこの時の衣装に装飾を加えて完成度を高めたのが、おそらくKCONタイでの衣装なんだと思います。
9位 ヴィオレッタ活動期のレトロ衣装
4月のヴィオレッタ活動期に着用していた衣装。
シンプルなデザインかつ控えめな色遣いというところにヒマワリ衣装との共通点を感じます。華麗な花を飾る花瓶は地味な方がその美が際立つという哲学があるのかもしれません。
映画で見るようなアメリカのダイナーのウェイトレスや、昔の航空会社のCAとかが来ていそうな落ち着きのあるレトロスタイルが魅力的です。
特にユジンさんはラジオ番組「さくのき」の中で、もしアイドルをやってなかったら?という質問に対してCAと答えていたこともあり、まさにぴったり。
ちなみにこの衣装、上の動画から4ヵ月後の韓国・KBリブコンサートでも再登場していて、その時のユジンさんは髪を結い上げているので更にCA感が増しています。
そして全部で12種類ある中での、個人的なお気に入りはユリさんの衣装。スカートの丈の長さとか広がり方の可愛らしさが自分の中のユリさんイメージにぴたっとはまっていて、ユリ部門でのベスト衣装なのではと思ってます。
8位 HIGHLIGHTの闇のネグリジェ
セカンドアルバム「HEART*IZ」に収録された曲の中でも、HIGHLIGHTは特にその魅惑的な存在感で異彩を放っていました。リリース当時、宮脇さんが注目している曲としてラジオでこの曲を挙げていたのを覚えています。
そしてEYES ON MEツアーのソウルコンで初めてその印象的な振り付けが初披露されたとき、曲のイメージを視覚的に表現した振り付けに目を奪われ、妖しい迫力を備えたその姿がIZONEの魅力に新しい深みを加わえたように感じました。
光沢のある紫に散りばめられた銀色の欠片のような装飾が特徴的で、IZONEとして新たな姿を表現するんだという静かな意気込みを感じるデザインです。加えて生地の薄さと柔らかさは見ている側にも伝わりそうなほどで、その危うい美しさが鮮烈な印象を残しています。
7位 スーパーコンサートの純白
4月28日の光州スーパーコンサート&ヴィオレッタ活動期に着用していたのがこの衣装です。
さきほどの衣装とは打って変わり、純白のドレスに金色の刺繍を加えた気品溢れるデザインで、手首に巻いたフリルが更にお姫様感を増しています。こういう衣装がIZONEに似合わないはずが無い。イメージの中では普段着でもおかしくないくらい。
そんな中でも個人的なお気に入りはチェウォンさんのケープが付いたタイプ。
お姫様といえばプデュ48の「ノエゲタッキル」の頃からチェウォンさんと決まっているので、一人だけケープで特別扱いされていても仕方ない。ちなみにこの衣装は富山TGCでも着用していて、上の写真はその時のものです。
6位 ラヴィアンローズの真紅
ラヴィアンローズでの放送活動の最後を飾ったのが、2018年11月23日ミュージックバンクで披露されたこの衣装。
「La vie en Rose」はフランス語で「バラ色の人生の意味」。そしてバラ+ダンスといえばフラメンコ、というわけでこの衣装になったと思われます。
しかしそんなシンプルな発想にも関わらず、変なコスプレ感など微塵も感じさせない完成度の衣装を持ってくるのがIZONEの凄いところ。
力強い赤と黒の鮮烈な配色と身体に張り付くような生地、そして大輪のバラの花という組み合わせは見れば分かる破壊力。口紅も真紅です。
特に誰が凄いとか言えない全体的なインパクトがありますが、敢えてひとり上げるならウォニョンさん(放送当時14歳)でしょうか。
人並みはずれた美貌の持ち主を称えて「王の心を奪うほどの美しさのために国を滅ぼしかねない」とかいう古風な表現がありますが、このウォニョンさんを見ていると確かに国のひとつやふたつ滅んでも仕方ないと思わざるを得ない。
舞台衣装というのは別の機会に再登場することが普通にありますが、この衣装の場合は「La vie en Rose」のコンセプトに強く紐付けられているせいで、もう他では見れなさそうなのが残念。
5位 KCON NY、摩天楼の漆黒
少し見出しが適当になってきましたがやっと5位。ちなみにこのランキング、一応これでも絞った上での10という数字で、残念ながら削った衣装が沢山ありました。
さて8位で挙げた闇のネグリジェもHIGHLIGHTお披露目のために用意されたような衣装でしたが、この衣装も同曲をNYという大舞台で踊る際に初披露されたもの。
しかし前者が光沢ある紫だったのに対し、こちらは漆黒。光の大半を吸収するというカーボンなんとかブラックとかいう特別な黒を思わせる存在感です。
部分的なレース生地と銀色の留め具、そして耳元で輝くイヤリングが上品なアクセントを加えていますが、何よりこの12人が押し出してくる混じりけのない黒の迫力には、他のIZONEの舞台ではお目にかかれない独特の雰囲気があります。
4位 白く咲き誇るバラの花園
色の数は少なめで、細かな部分に凝った上質な服を好んで用いるIZONEの衣装コーディネートの魅力が詰まっているのがこの衣装。フリルとレースをふんだんに使った白の衣装はとにかく華々しく見ていて飽きません。
加えてアクセントとしてのコルセットや宮脇さんの帽子となぜか片方だけの手袋、ユジンさんが肩から掛けたサッシュ、そして煌びやかなアクセサリ等々。
まるで少女の華やかな夢をこれでもかと詰め込んだように繊細かつ豪華な衣装は、間違いなくラヴィアンローズ活動期で最も優れたものだったと思います。
その一方で、脚の部分は大胆に短いパンツを着用して素の美しさを見せ付けるというところがいかにもKPopぽい。
そんなことを考えながら改めて映像を見てみると、ラヴィアンローズの振り付け自体が、いかに脚を魅力的に見せるかという点からも考えられているということに気付かされます。
3位 MGMA、夢幻の紫
紫と青そして黒の三色がおぼろげに混じりあう色彩の間で、ゆったりした振り付けに合わせてときおり輝く金属製のバックルが、幻を見せる仕掛けのようにも見える、「M2 X Genie Music Awards」での衣装です。
背後で光る鏡のすだれみたいな舞台装飾と衣装との組み合わせが、HIGHLIGHTの持つ妖しい美しさをステージ全体で増幅させているような、そんな迫力を感じます。
IZONEの衣装と舞台の色彩が一体になって響きあう演出の素晴らしさを見ていると、授賞式の中のたった一つのステージのためにこうして人とモノとアイデアをさらっと準備できる今のKPopシーンの力と勢いを感じます。
2位 SMAの白と黒
デビューしてまだ1年にも関わらず、すでに多くの授賞式やコンサートの舞台に上がっているIZONE。
そうした晴れ舞台ではアイドルグループが特別な演出を伴った登場の仕方をするもので、紫の光とスモークの間から現れる3位のMGMAも普通にかっこよかったですが、今年1月15日ソウルミュージックアワードでのIZONEの登場も秀逸でした。
写真が象徴するように、この日の舞台の衣装は白黒の鮮やかな対照が大きな特徴。
先ほどの4位と同じ様にこの二色を基本として用いた衣装ながら、その表現するところはまるで別。ここでの白が光、黒が影だとするなら、口紅や一部メンバーのスカーフに見える小さな赤はさながら鮮血のよう。
そしてあちらを少女の夢と喩えるなら、白黒の対置が緊張感すら感じさせるこの衣装は、夢を現実にしていくための覚悟と強さを思わせる。
こうして見ていると同じ曲・同じ振り付けでも衣装が変わればそこで語られる物語は変化する、ということを感じます。
あと細かい点では、やはりチェヨン&ミンジュ&ユジンというIZONEの中でも特に脚の綺麗な3名を堂々としたロングパンツで登場させているところに、メンバーの長所を生かすプロとしての目配りを感じました。
1位 デビューわずか3ヵ月で生まれたマスターピース
ここまでIZONEの魅力について衣装を含めて長々と触れてきましたが、私が1位に選んだのは、今年2019年1月23日にソウル蚕室室内体育館で開催されたGMA(ガオンチャートミュージックアワード)で披露された衣装です。
10位からずっと見てきたようにIZONEの衣装の多くは華やかでありながらも静かな気品を含んでいて、それはグループ全体を貫くコンセプトが衣装にも視覚的に表現されている結果だと思います。
この舞台での衣装も、どうやって着たのか、どうやって脱ぐのか分からないくらい繊細かつ華麗でありながら、金属的な銀色のデザインを取り入れることで輝きと落ち着きを同時に加えています。
そして宮脇さんだけが純白の衣装をまとっているのが象徴的ですが、メンバー毎に衣装デザインが大胆に異なっているのに全体として調和を保っているところも素晴らしい。
ただ正直、私がこの衣装に惹かれるのは純粋にその完成度の高さのためだけではないのかもしれない。
この舞台映像はIZONEが持つ力をほぼ完全に切り取っています。音楽に振り付けに衣装にメイクそしてヘアスタイルさらに大歓声を送る観客の存在。幾つもの要素が動きを合わせて一つの大きな光景になっている。
何よりここには12人の主人公が映っています。宮脇さんのFANCAMでありながら、そこに映る全員がその輝きを競い合っているようで、IZONEが1×12であるということを雄弁に物語っている。
もしいつか神様に、IZONEとはどういうグループだったかと問われることがあれば、私は黙ってこの動画の再生ボタンを押すと思います。
そして冒頭で私はどうして自分がIZONEに惹かれるのか、と書いていましたが、その答えはこの映像だけで十二分に語られているのかもしれません。
IZONEに見たいもの、見せて欲しいものをほぼ完全に表現したこの舞台は私にとっての基準で理想、そしてWIZONEである理由です。
色々書きましたが、以上はIZONEに対する私なりの理解と願望の混じりあったものなので、人によっては全く違うIZONEの姿を映したBEST10になるのかもしれません。
そして来年2周年になる今頃も同じ様な記事が書ければ、とか思ったんですが、おそらくその頃には半年後に迫る「その日」を前にして、果たしてまともな頭でいられるかどうか、とても疑問です。
しかし一方では、これからの時間で起こるだろう様々な困難を乗り越えて、その来るべき日を無事に12人全員で迎えることが出来れば、それは決して当たり前のことなどではない、間違いなく素晴らしいことだと思います。
そして最後になりましたが、IZ*ONE一周年おめでとうございます。